2011-01-01から1年間の記事一覧

2011年 新作ライトノベルセレクション

2011年のまとめということで2011年に初巻が発売されたライトノベルの中から今後期待する作品を選んでみました。 皆様の参考になれば幸いです。 なお、この選出はあくまで私が読んだものに限っていることを予めご了承ください。 ◆ヒカルが地球にいたころ…… / …

不思議系上司の攻略法 3 / 水沢あきと

「ダメです。梶原さんの『大丈夫』は当てになりませんから」 『不思議系上司の攻略法』の3巻です。 ニヤニヤできるシーンが増えてて面白かった。 今回の仕事はECサイト(通販サイト)のリプレイスの案件。 導入しようとしているCMS(コンテンツ・マネイジメ…

東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる / 森橋ビンゴ

「……何もかも言葉で説明すればいいってもんじゃないだろう」 『東雲侑子は短編小説をあいしている』の続編、 『東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる』です。 続編も素晴らしい純愛小説でした。 お互いに本当の気持ちを知りたいと思っているのに 普段の態度か…

万能鑑定士Qの推理劇I / 松岡圭祐

「鑑定は過去の価値を問いません」 「いまどうあるかです」 タイトルが新しくなっても相変わらずの面白さ。 序盤に莉子がどのようにして賢くなったかダイジェストで振り返るシーンが挟んであるため、 前シリーズを読んだことがない人でも楽しめると思います…

明日も彼女は恋をする / 入間人間

「本当に鯨が好きで仕方ないなら、命は平等じゃない。牛肉食って鯨は食うな、という主張も的外れじゃない。大事にしたいものを、大事にする。それだけのことだ」 過去から戻ってきたわたしに待ち受けたのは彼の消失だった。 再び歩けるようになった代償とし…

オーバーイメージ / 遊佐真弘

「まるで子供の我侭だ。あれがしたい、これもしたい。思うこと全てを実現するのが、だれだけ難しいか分かっているのか?」 第7回MF文庫Jライトノベル新人賞<佳作>『オーバーイメージ』です。 面白くなりそうな要素は満載なんだけど、なんかいろいろ残念な…

豚は飛んでもただの豚? / 涼木行

「なるほど確かに、端から見れば豚は飛んでも豚かもしれんな。しかし今までと違うということに間違いないだろう。たとえ飛べなくとも飛ぼうとした時点でその豚はもうただの豚ではないだろうからな」 第7回MF文庫Jライトノベル新人賞<最優秀賞>『豚は飛んで…

“若紫” ヒカルが地球にいたころ…… 3 / 野村美月

――年を経るに従って、去るものが多くなりますが、来るものもあります。それを大事にしてゆければと思うのですよ。 「ヒカルが地球にいたころ」3巻、『若紫』です。今回のヒロインは小学四年生の若木紫織子。 年齢通りの子かと思ったら、なかなかの小悪魔っぷ…

フルメタル・パニック! アナザー2 / 大黒尚人

「パンクだぜ、あのAS」 「パンクじゃねえよ、ロックだよ」 『フルメタル・パニック アナザー』の2巻です。 今回は前巻のラストで登場した日本製第三世代AS<ブレイズ・レイヴン>が活躍するお話。 いや、カッコよかった。 ブレイズ・レイヴンの特徴である『…

恋物語 / 西尾維新

「それは、いいように騙されたわね。私に」 化物語セカンドシーズン最終巻『恋物語』です。 まさにセカンドシーズンのトリを飾るべく内容で、面白くて一気に読破してしまいました。 この内容でタイトル詐欺じゃないところが凄い。 冒頭を数行で今回はお前か…

双子と幼なじみの四人殺し / 森田陽一

「そりゃ正しい方がいいよ。でもさ、もうちょっと自分の影響力を考えて行動しなよ。私は強いから本気で人を殴ったりしない。何事も力加減だよ。本気で正義をしたら迷惑だよ。それが最善の結果にならないことぐらい――分かってるでしょ?」 第3回GA文庫大賞《…

青春ラリアット!! 3 / 蝉川タカマル

「好きな人を助けることすら許されないなんて……残酷すぎるじゃないですか……」 宮本と月島に比べて『大食い』しか特技がないことを長瀬に突っ込まれ、自分にさえ隠していた特技『ナンパ』を披露することになった黒木。 そんな黒木が声を掛けた女性はガラの悪…

僕と彼女のゲーム戦争 2 / 師走トオル

「わたしとしては、ゲームはより多い人数でやる方が楽しいと思っている。率直に訊くが、今日のゲームはどうだったか?四人で協力して一つの敵に立ち向かうのも、なかなか面白くはなかったか?」 僕と彼女のゲーム戦争の2巻です。 今回は現代遊戯部に4人目…

魔法科高校の劣等生 (4) 九校戦編 〈下〉 / 佐島勤

「逃げるな。司波。例え補欠であろうとも、選ばれた以上、その努めを果たせ」 魔法科高校の劣等生、4巻、九校戦編の下巻。 九校戦編の続きです。 達也が担当した新人女子達全てが大活躍。 加えて、代理出場したモノリス・コードでは優勝候補を退ける活躍っ…

アクセル・ワールド10 ―Elements― / 川原礫

アクセル・ワールド10巻です。 今回は3編からなる短篇集。 今まで貼られていた伏線がより補強された感じの内容となっていました。 遠い日の水音 「普段どおりに、なの。負けられない一戦だけど、大切なのは勝つことより……」 「楽しむこと」 「僕の《親》が教…

Another / 綾辻行人

「ものごとには知るタイミング、っていうのがあるの。いったんそれを逃したら、知らないままでいたほうがいいこともあるんじゃないかな。少なくとも、しかるべき次のタイミングが来るまではね」 綾辻行人の長編本格ホラーとありますが、個人的にはミステリー…

クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門 / 石川博品

「すばらしいパートナーとともに生きることはすばらしいことなのです。そしてあなたもまた、それに値するすばらしい存在なのです。決して自分を貶めず、蔑まず、軽んじないでください。自分を大事にすることが相手を大事にすることに通じるのですヨ」 ファミ…

六花の勇者 / 山形石雄

「明日が楽しみだ。明日は俺が敵の策略を叩きつぶす日だ。俺の無実と、俺の地上最強が同時に証明される日だ。日が昇るのが待ち切れないぜ」 魔王討伐のための選ばれし勇者は六人のはずなのに、もう一人、六花の紋章を持つ勇者が現れた。 閉ざされた結界の中…

生徒会探偵キリカ 1 / 杉井光

「……探偵は、こういうとき――なんの役にも立たないかもしれないけど」 「キリカは、『会計』だろ?」 中高一環教育のマンモス校に、高校から編入してきた牧村ひかげが、なにも知らないまま生徒会室に行ったのが運の尽きだった。 生徒会長に目を付けられて庶務…

ログ・ホライズン5 アキバの街の日曜日 / 橙乃ままれ

「するべきことが目の前にあって、自分がそれをできて、望まれているならば、それはよいことなんだと思う。」 オンラインゲームの世界に閉じ込められた人達の冒険を描く『ログ・ホライズン』の第5巻です。 今回はアキバの街で開かれることになったお祭りイベ…

カエルの子は / 峰月皓

「……なあ明。なんであんな無茶なことするんだ? 何か理由でもあんのか?」 「……うん。だって」 「……父ちゃんは、ああやって母ちゃんを助けたんだろ? だから俺もやるんだ。だって、すげえ格好いいじゃん!」 芹沢晃(独身30歳)はカエル着ぐるみをかぶり遊園…

昨日は彼女も恋してた / 入間人間

「いやでも、どんな心境の変化?」 「あんたが嫌いでも、薄情ではありたくないのよ」 仲違いした幼馴染と共にタイムトラベルする物語。 メディアワークス文庫11月の新刊『昨日は彼女も恋してた』です。 タイムトラベルという体験をしても微妙な関係のままだ…

沢木道楽堂怪奇録 はじまりのひとり / 寺本耕也

「――バカッ! 死ねなんて簡単に言うなっ! だれかが死ぬと残された人がどんんだけ寂しいかあんた知ってるの!? それも知らないで、死ねなんて言うなっ!!」 霊が見える体質のなんでも屋の沢木と、霊に好かれる体質になってしまった女子高生雪穂。 霊絡みの…

魔法戦争 / スズキヒサシ

「もうやめろ。これ以上やると、お前が負ける」 「ハァ!? なに言ってんだ、わけわかんねぇんだよ!」 「実はおれにも、よくわからないんだ」 「お前の攻撃は当たらないよ」 真面目な学園生活を送っていた七瀬武はある日、部室に倒れている見知らぬ制服着た少…

修羅場な俺と乙女禁猟区 / 田代裕彦

「そうだろ。なら、この≪ゲーム≫に勝つために、君がしなくてはならないことはなんだ」 「ええと……あの五人の婚約者の中から、俺を憎んでいない一人を探して、正式な婚約者として選ぶ……だったか?」 「君の行動はそれを理解していたとはとても思えんね。君は…

フルメタル・パニック! アナザー1 / 大黒尚人

「あなたが乗った<シャドウ>、一体どうだった?」 「は?」 「だから、アレの感想を聞いているのよ。生まれて初めて乗るASって、どんな感じだったの?」 「それは――」 フルメタル・パニックの外伝『フルメタル・パニック! アナザー1』です。 本編フルメ…

ヒア・カムズ・ザ・サン / 有川浩

「死者の思いは遺された者が決める、と僕の敬愛する作家が言っていました。死者を荒ぶる者にするのも安らげるものにするのも生者の解釈次第だと」 『真也は30歳。出版社で編集の仕事をしている。 彼は幼い頃から、品物や場所に残された、人間の記憶が見えた…

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 3 / 渡航

「始め方が正しくなくても、中途半端でも、でも嘘でも偽物でもなくて……、好きって気持ちに間違いなんてない……と、思う、けど」 残念系青春ラブコメ、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』です。 八幡と由比ヶ浜結衣がちょっと微妙な関係になってし…

俺はまだ恋に落ちていない / 高木幸一

「…橘さん。腕に覚えと仰いましたよね。今までに何回、喧嘩をされましたか? 勝率は?」 「数は覚えておりません。……が、勝ち負けは五分」 「では、その勝った時は、勝てるから勝負したのですか。また負けたときは、負けると分かっていて、勝負を挑まれたの…

桜色の春をこえて / 直井章

「"大切なもの"って目に見えるし、身近に存在していると思うよ。ただ、余りに身近すぎるせいで、大切さに気づかないだけなんじゃないかな? 失って初めて"大切なもの"だと気づくんじゃないかな?」 11月の電撃文庫の新作『桜色の春をこえて』です。 とある事…