2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

万能鑑定士Qの推理劇II / 松岡圭祐

「大人って案外、頼りになるものよ。」 万能鑑定士Qの推理劇の2巻です。 映画化決定おめでとうございます。今回は古書に隠された謎を追う話。最初は馬鹿にされても、その知性と情熱で信頼を勝ち得ていく展開はいつみても気持ちがいい。クライアントへの思い…

ノーブルチルドレンの断罪 / 綾崎隼

「……これで、やっとすべてが繋がった」 綾崎集先生が綴るノーブルチルドレンシリーズ第3巻『ノーブルチルドレンの断罪』です。歩夢と緑葉の秘密、長谷見芽衣の死の真相が判明し、ますます混迷を深めていくふたりの運命。 吐季が徐々に緑葉に惹かれていく一方…

“朧月夜” ヒカルが地球にいたころ…… 4 / 野村美月

「見て、是光。あれがぼくの花園で一番美しい、紅の枝垂れ桜だよ」 「ヒカルが地球にいたころ」の4巻、『朧月夜』です。今回のヒロインは、ヒカルの兄の元婚約者の月夜子。 最初はなかなか好きになれなかった月夜子でしたが、読み終えてからの印象は正反対。…

悲鳴伝 / 西尾維新

「そらからくんは、本当にヒーローだね」 地球撲滅軍という秘密組織に、とある特殊な才能を見出された少年、『空々空(そらからくう)』の愛と友情の物語。西尾維新先生の最新作『悲鳴伝』です。道を外れてしまった人が、間違いながらも、必死に生きようとす…

遠まわりする雛 / 米澤穂信

「それなら、千反田。何か状況を一つ出してみろ。そう簡単に理屈をくっつけるなんてできないと証明してやる」 『氷菓』アニメ化記念、再読四冊目。 古典部シリーズの4作目『遠まわりする雛』です。表題作を含む、7編からなる短篇集。 文化祭前の話が3編、以…

スカイ・ワールド / 瀬尾つかさ

「俺はさ、この世界の真実を知りたいんだ。そのために……この場を押し通るっ!」 富士見ファンタジア文庫の4月の新刊『スカイ・ワールド』です。これは面白い。 いわゆるMMORPGの中に閉じ込められた系の話で、題材はありふれたものですが、設定が丁寧に作られ…

まよチキ! 11 / あさのハジメ

「あなたはただ正直になって、迷うことなく、自分の気持ちに正直な生き方をして欲しいの。」 MF文庫Jの4月の新刊から『まよチキ!』の11巻です。クライマックス前編。 決着を付ける前にまずはジローの女性恐怖症を治療することに。 3人のヒロインたちと順番…

森の魔獣に花束を / 小木君人

「僕はあなたと、青い薔薇が咲くのを見たいんです」 跡継ぎの試練のために、青い薔薇を取りに禁断の森に来た少年は、そこで半人半植物の魔獣の少女と出逢う。 幸いにも食べられずに済んだものの、逃げられなくなった少年だったが、家にいたときよりも安らげ…

クドリャフカの順番 / 米澤穂信

「自分に自信があるときは、期待なんて言葉を出しちゃいけない」 『氷菓』アニメ化記念、再読三冊目。 古典部シリーズの3作目『クドリャフカの順番』です。刷りすぎてしまった「氷菓」を売り切るために、古典部のメンバーが奮闘する話。 再読して改めて思い…

人生 第2章 / 川岸殴魚

「人生を輝かせてくれるのは夢だけではありません。人生を輝かせてくれるのは人です。大切な人と過ごした時間が人生を輝かせるのです。」 ガガガ文庫4月の新刊、人生相談ラノベ、『人生』の2巻です。寄せられた多くの人生相談を4人で頑張って回答を作ってい…

愚者のエンドロール / 米澤穂信

「誰でも自分を自覚するべきだ。でないと。……見ている側が馬鹿馬鹿しい」 『氷菓』アニメ化記念、再読第二弾。 古典部シリーズの2作目『愚者のエンドロール』です。脚本家のメンタルダウンにより作成が一時中断されたミステリー映画の結末を古典部が推理する…

氷菓 / 米澤穂信

「わたし、気になります」 米澤穂信のデビュー作、古典部シリーズの第1巻『氷菓』です。アニメ化ということで、4年ぶりに再読。 名作は何度読んでも面白い。大分忘れているところもあったためか、いろいろと新鮮に感じた。 特に奉太郎の推理力の高さはちょっ…

魔王なあの娘と村人A 3 〜ロボ娘は今日も空を飛べない〜 / ゆうきりん

「竜ヶ嶺。おまえが言ったんだぜ?俺のAはエースのAだ、って。そのお前が、俺を信じないのか?」 電撃文庫4月の新刊、『魔王なあの娘と村人A』の3巻です。今回は、前回の後半に出てきた、「ロボット」の個性を持つ子の不登校問題を解決する話でした。ロボ娘…

ミニッツ 〜一分間の絶対時間〜 / 乙野四方字

(俺は、この能力を利用して誰よりも高みへと上り詰める) 一年生で生徒会長に当選するという野望をもつ相上櫻には、一分間だけ相手の心を読める力があった。この力を利用し、自身の評判をあげていく櫻の前に、ひとりの生徒が立ち塞がる。生徒会副会長、琴宮…

魔法科高校の劣等生 5 夏休み編+1 / 佐島勤

電撃文庫4月の新刊、『魔法科高校の劣等生』の5巻です。短篇集で他の登場人物たちにもスポットが当たっていたはずなのに、一番記憶に残ったのは司波兄妹のイチャつきっぷり。普段よりもイチャついてるシーンが多かった気がする。ここぞとばかりに兄に甘える…

アクセル・ワールド 11 ―超硬の狼― / 川原礫

「原点に立ち返れ、クロウ。強い力は、それに見合うだけの深い傷から生まれる。――貴様はもう、そのことを知っているはずだ。」 ISSキット本体を守護するメタトロン攻略のため、光線技に対して絶対の耐性を持つアビリティの『理論鏡面』の取得を命じられたシ…

生徒会探偵キリカ 2 / 杉井光

「わたしも、勝ちたい人がいる」 講談社ライトノベル文庫4月の新刊『『生徒会探偵キリカ』の2巻です。今回は小さな事件を繋げていく構成。前回に比べると、事件の規模は落ちていた。でも、学園が舞台だしこれくらいでいいかも。文化祭実行委員長選挙では、…

ベイビー、グッドモーニング / 河野裕

「人は、魂は、きっと死よりも強固です」 死を直前に控えた人の前に現れる死神少女。 少女は澄んだ魂を回収するために、最期の一瞬に介入していく。角川スニーカー文庫4月の新刊『ベイビー、グッドモーニング』です。 死神に死を宣告された人々が織り成す4…

サイハテの救世主 PAPERI:破壊者 / 岩井恭平

「せっかく沖縄に来たなら。ゆっくりしていけ。ここは好いヤツばかりさ」 角川スニーカー文庫4月の新刊『サイハテの救世主』です。 挫折した天才の苦悩がうまく描かれていて、とても面白かった。いくら自分が蒔いた種とはいえ、世界の危機を主人公に押し付…

三匹のおっさん ふたたび / 有川浩

「でも俺たちもう子供じゃないけどまだ大人じゃないんだ」 有川さんの最新作『三匹のおっさん ふたたび』です。あのカッコイイおっさんたちが再び舞い戻ってきた。 どの話も身近にありそうな話ばかりで、前回よりもさらにモラルを問う内容となっていた。 す…