メディアワークス文庫

ビブリア古書堂の事件手帖 4 〜栞子さんと二つの顔〜 / 三上延

「本当に嫌いかどうか、自分でも分からないことだって、あるんじゃないすか」 メディアワークス文庫2月の新刊「ビブリア古書堂の事件手帖」の4巻『栞子さんと二つの顔』です。今回は江戸川乱歩を題材にした長編。 閉ざされた金庫を開けるために、大輔と栞子…

命の後で咲いた花 / 綾崎隼

「私は命をかけて、あなたのものになりますね」 綾崎隼先生の最新作『命の後で咲いた花』です。一見すると、ごく普通のラブストーリー。 しかしそこにはちょっとした仕掛けが。要所々々に見え隠れする伏線で早めに気づいてしまったせいか、あのシーンのイン…

彼女と僕の伝奇的学問 2 / 水沢あきと

「あのふたりのことを間違ってるなんて言える人は、どこにもいないということです」 メディアワークス文庫12月の新刊「彼女と僕の伝奇的学問」です。フィールドワークしに行くという流れは前回と同じ。 今回は会長の風守さんの友人の子がいる島へ調査に赴く…

彼女と僕の伝奇的学問 / 水沢あきと

「他の人のために、自分一人が犠牲になるなんていう考えは間違っている!」 メディアワークス文庫から『彼女と僕の伝奇的学問』です。前作の不思議系上司の攻略法とは打って変わって、今回は伝奇物。村に代々続いた神事。 その神事には秘密があり、伝統を守…

彼女を好きになる12の方法 / 入間人間

「きみは理由を欲しがってばっかりだね」 入間さんの『彼女を好きになる12の方法』です。彼女のことが好きかわからないけど、一緒にいる男と 彼女のことが好きだけど、ずっと片思いの男。 そんなふたりの視点で交互に進んでいくお話。3年もの間、声もかけず…

たったひとつの、ねがい。 / 入間人間

「きみは、好きなものは先に食べる方かな? それとも、最後かね」 メディアワークス文庫11月の新刊『たったひとつの、ねがい。』です。表紙イラストの爽やかさと、プロローグ数ページから受ける印象で油断してたせいもあってか、いきなりガツンとやられた。 …

2 / 野崎まど

「創るのをやめるより辛いことなんて、この世には無いの」 メディアワークス文庫8月の新刊『2』です。野崎まど先生が贈る1年ぶりの新作。 これまでの作品の集大成。もう、すごいという月並みな感想しか出てこない。 またしても最後の最後でやられました。一…

ノーブルチルドレンの愛情 / 綾崎隼

「あたしは死ぬまで吐季以外の男を好きにならないわ。だから…」 「これから、あたしが何をしても赦してね」 ノーブルチルドレンシリーズついに終幕へ。メディアワークス文庫8月の新刊『ノーブルチルドレンの愛情』です。歩夢の罪が明かされたことをきっかに…

0能者ミナト 4 / 葉山透

「俺が憑き物落しをやる」 メディアワークス文庫7月の新刊『0能者ミナト』の4巻です。今度の舞台は、船幽霊が出るという豪華客船。 依頼そっちのけで、豪華客船を満喫するミナト達。特にミナトに至っては、カジノで換金できないとしり暴れ、シガーバーではボ…

TOKYO GIRL’S LIFE 〜絶対に失恋しない唯一の方法〜 / 菱田愛日

「いつからこんなになっちゃたのかなぁ」 「別に恋がしたくないわけじゃないんだけどなぁ」 仕事一筋の真面目人間、遥希。 恋に生きる女、舞衣。 そんな二人の生き方に憧れる、佳奈子。Bar『シュガー&ソルト』で出会った3人の女性達の恋と友情を描いた物語…

R&R / 静月遠火

「ねえ。<前>に……私と、なにかあったの?」 「なーんにもないですよ。僕と百音さんは、いつだって初対面だから」 繰り返される5月6日。 気づいてるのは自分だけ。 どうしたら、このリピートから抜け出せるのか……。自暴自棄になりかけた何回目かのループの…

ネバー×エンド×ロール 〜巡る未来の記憶〜 / 本田壱成

「あたしは、進むんだ」 「負けないように。おいていかれないように。ほんの少しの感傷だって――失わないで、済むように」 「何があっても振り返らずに――」 高い壁に囲われた街。 その壁を超えるために、飛行機を作っていた少年たちの元に一人の少女が空から…

鴨川貴族邸宅の茶飯事 〜恋する乙女、先斗町通二条上ル〜 / 範乃秋晴

「l恋に時間は関係ございません。人は一秒もあれば心を奪われるのです」 メディアワークス文庫6月の新刊『鴨川貴族邸宅の茶飯事 〜恋する乙女、先斗町通二条上ル〜』です。著者の作品は「マリシャスクレーム」、「特異領域の特異点」と読んできましたけど、…

還りの会で言ってやる / 八重野統摩

「……あたしにどんな幻想、抱いてんの」 「そんなもん、ひとつも抱いてない。鈴城柚舞はめちゃくちゃいいやつだ。俺の幼なじみ舐めんな」 メディアワークス文庫6月の新刊『還りの会で言ってやる』です。いじめられている幼馴染の女の子のために男の子が頑張る…

ビブリア古書堂の事件手帖 3 〜栞子さんと消えない絆〜

「一度なくした本を取り戻したいと思うことは、ちっとも下らなくありません。」 メディアワークス文庫6月の新刊『ビブリア古書堂の事件手帖』3巻です。サブタイトルとおり、今回は古書と絆に関するお話。 三編とも失くしてしまった本を見つける話で、どれも…

サクラの音がきこえる ―あるピアニストが遺した、パルティータ第二番ニ短調シャコンヌ / 浅葉なつ

「音楽はね、魂で唄って、血で奏でるものさ」 偉大なピアニストだった父を未だに恨んでいる智也はある日、奇妙な依頼を受けるはめになる。「私を、音楽で感動させてください」音楽学校の首席でありながらも、生まれてからこのかた音楽で感動をしたことがない…

花の佳音 / 雨宮諒

「いつもお話相手にになってくれてありがとう。わたくしは、ここに来られて本当によかった」 花の精霊と話すことができる主人のいる花屋さんのお話。 せつなくも心に響く連作短編。売られていく花たちに感情移入してしまう主人公の姿が大げさすぎた気もしま…

ノーブルチルドレンの断罪 / 綾崎隼

「……これで、やっとすべてが繋がった」 綾崎集先生が綴るノーブルチルドレンシリーズ第3巻『ノーブルチルドレンの断罪』です。歩夢と緑葉の秘密、長谷見芽衣の死の真相が判明し、ますます混迷を深めていくふたりの運命。 吐季が徐々に緑葉に惹かれていく一方…

ドラフィル! 竜ヶ坂商店街オーケストラの英雄 / 美奈川護

「いいか……この世で最も残酷なのは、音楽だ。けどな、この世で最も愛に溢れたものもまた、音楽なんだよ」 音大をでたもののプロオケからの採用がなく音楽ニート真っ只中の藤間響介は、ある日叔父からコンサートマスターを探しいているオーケーストラがあると…

奇祭狂想曲 / 朽葉屋周太郎

「強情にしていると、色々と滞るぞ」 3月のメディアワークス文庫の新刊『奇祭狂想曲』です。 デビュー作『おちゃらけ王』と同じ鳴鼓宮祭を舞台に名雪小次郎が暴れるお話。今回は鳴鼓宮祭直前に魔王が捕まってしまうためか、前回よりもはっちゃけ具合は落ちて…

INNOCENT DESPERADO / 綾崎隼

「好きな人が好きな人を、強がりではなく好きになれたら良いんだけどな」 メディアワークス文庫の2月の新刊『INNOCENT DESPERADO』です。 綾崎さんのデビュー作『蒼空時雨』より10年前の物語。 紀橋朱利とその友人たちとで巡る逃亡劇。 朱利の屈折した背景が…

侵略教師星人ユーマ / エドワード・スミス

「全ての教師は生徒の味方だ。教師の力は生徒を守り、その悩みの種を取り除くために使われる。お前自身に大きな力は無いかもしれないが、自分の担任を動かすだけの力はあるんだぞ」 教師であるユーマが地球を侵略いている悪い宇宙人から地球を守る話。第18回…

月だけが、私のしていることを見おろしていた。 / 成田名璃子

「それでも、出来事が起こった当人だけは、大騒ぎしながら生きていくしかないわけだけどさ。まあ、生きて大騒ぎできるのもまた、幸せじゃない?」 週末の結婚式で別れてから一年が経つ元恋人と再会することがわかり、憂鬱な日々を過ごしている咲子。そんな咲…

時間のおとしもの / 入間人間

時間をテーマにした物語が4編収録された短篇集。 同じテーマなのにどれも違った雰囲気の話で楽しめました。 携帯電波 「いるいるー。だってわたしとお母さんそっくりさんだし」 部屋から見つかった奇妙な電話を使った結果、平行世界の自分と入れ替わってしま…

ソラの星 / 岩関昂道

「全部、自然に起きたことなんだよ。そのせいでこういう結果になったとしても、誰の責任でもない。だから、ソラ――」 メディアワークス文庫の1月の新刊『ソラの星』です。帰宅の途中に拾った少女ソラ。 一夜だけ泊めるはずだったのに彼女の頼みを断りきれず、…

0能者ミナト(3) / 葉山透

「正しさを心がけることの何がいけないのですか?」 「正しさを正義と思っている奴は自分の正義を疑わない。いまのおまえのようにな。」 12月のメディアワークス文庫の新刊から『0能力者ミナト』の3巻です。 ミナトの毒舌のキレキレっぷりはもう流石。 言動…

不思議系上司の攻略法 3 / 水沢あきと

「ダメです。梶原さんの『大丈夫』は当てになりませんから」 『不思議系上司の攻略法』の3巻です。 ニヤニヤできるシーンが増えてて面白かった。 今回の仕事はECサイト(通販サイト)のリプレイスの案件。 導入しようとしているCMS(コンテンツ・マネイジメ…

明日も彼女は恋をする / 入間人間

「本当に鯨が好きで仕方ないなら、命は平等じゃない。牛肉食って鯨は食うな、という主張も的外れじゃない。大事にしたいものを、大事にする。それだけのことだ」 過去から戻ってきたわたしに待ち受けたのは彼の消失だった。 再び歩けるようになった代償とし…

カエルの子は / 峰月皓

「……なあ明。なんであんな無茶なことするんだ? 何か理由でもあんのか?」 「……うん。だって」 「……父ちゃんは、ああやって母ちゃんを助けたんだろ? だから俺もやるんだ。だって、すげえ格好いいじゃん!」 芹沢晃(独身30歳)はカエル着ぐるみをかぶり遊園…

昨日は彼女も恋してた / 入間人間

「いやでも、どんな心境の変化?」 「あんたが嫌いでも、薄情ではありたくないのよ」 仲違いした幼馴染と共にタイムトラベルする物語。 メディアワークス文庫11月の新刊『昨日は彼女も恋してた』です。 タイムトラベルという体験をしても微妙な関係のままだ…