“若紫” ヒカルが地球にいたころ…… 3 / 野村美月

“若紫” ヒカルが地球にいたころ……(3) (ファミ通文庫)

 ――年を経るに従って、去るものが多くなりますが、来るものもあります。それを大事にしてゆければと思うのですよ。

「ヒカルが地球にいたころ」3巻、『若紫』です。

今回のヒロインは小学四年生の若木紫織子。
年齢通りの子かと思ったら、なかなかの小悪魔っぷりを披露してくれました。

子供扱いする是光になかなか心を開かない紫織子でしたが、是光の家にきてからようやく心を開いてくれてほっとしました。
是光のじいさんから、ぬいぐるみをプレゼントされたときに見せてくれた彼女の姿はとても可愛かった。
素直にならない、是光のじいさんのツンデレっぷりもなかなかのものでした。

今回の是光もヒーローそのもの。
彼のセリフから感じ取れる「頼もしさ」っぷりが半端ないです。
やっぱり天然ジゴロだなぁ、是光さん。

ヒロインたちによる、是光争奪戦が今後激化していくのが目に浮かびます。
この巻でもさっそく葵さんが参戦してきて、最期に衝撃のセリフを残していってすごい気になるところで終わってしまった。

今回の帆夏もとてもかわいかった。
恋する乙女そのもので、あの「ぱーぷる姫」がまさかのネットで恋愛相談するとか…。
彼女の行動は青春って感じがしていいです。
前回の告白は結局ごまかしてしまったけど、まだまだ挽回のチャンスがあって嬉しい。
今後も是光を支えて欲しいな。

朝ちゃんこと、斎賀朝衣は登場シーン少ないのに存在感がすごい。
彼女も徐々に是光のことを認めつつあるのかな。
巻末のエピソードを読むと、また違った彼女の一面が見れて面白かった。

予告をみると次回はヒカルの事件の謎がちょっと判明しそうですね。楽しみです。