しゅらばら! 2 / 岸杯也

しゅらばら! 2 (MF文庫J)

「オレはお前の恋人だろ? だったら困ってる事や辛いことがあるなら話してくれよ!」

ニセの彼氏として3人の女の子と付き合うことになった一大。
前回なんとかダブルブッキングを見事乗り切ったものの、4人の秘密の関係は未だに続いている。

ドタバタ修羅場系ラブコメ『しゅらばら!』の2巻です。

彼氏と彼女という関係がニセということを忘れるのかのようなヒロインたちの行動。
一大がいないところで、彼氏の設定を増やしていく鷹奈には笑った。

ふたりきりのシーンでモーションをかけてくる彼女たちに、真面目に対応した結果どんどんドツボにはまっていく一大。
次第に本気になりつつある彼女たちの心境の変化に、気づいていないのがラノベの主人公らしい。

早乙女がヒロインをやるアニメの主役の設定が一大そのままで笑ってしまう。
だけどそれ読んでも、自分とは違うと思ってるところとか流石です。

だんだんとヒロインたちが可哀想になってくる…。
最後に、ようやく修羅場フラグが立ったみたいなので次の巻が楽しみ。

まよチキ! 11 / あさのハジメ

まよチキ!11 (MF文庫J)

「あなたはただ正直になって、迷うことなく、自分の気持ちに正直な生き方をして欲しいの。」

MF文庫Jの4月の新刊から『まよチキ!』の11巻です。

クライマックス前編。
決着を付ける前にまずはジローの女性恐怖症を治療することに。
3人のヒロインたちと順番にデートの後、ついに決着。


ここから先の感想はネタバレを交えています。

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魔法戦争 2 / スズキヒサシ

魔法戦争? (MF文庫J)

「何が<トレイラー>だ……何が<ウィザードブレス>だ……そんなものが理由になるかよ!」

MF文庫Jの3月の新刊から『魔法戦争』の2巻です。

魔法使いになってしまった、武、くるみ、伊田の3人が、魔法学院で魔法学ぶという展開。魔法がなかなか上達しないことに焦る伊田や、六に嫉妬するくるみとのやりとりで困る武の姿が描かれていました。

今回は化身(アスペクト)という、魔法使いの杖的なアイテムが登場。これがまた中二心をくすぐる。主人公がいままで誰も使いこせなくて、倉庫に眠っていた伝説の武器に選ばれる展開は、お約束だけどイイ。

学園ではなかなか使いこなかったものの、六の兄、十との戦いでトワイライトの真の力の解放とか、いろんな意味で燃える展開で素晴らしい。いくら、相手の魔法力が切れ欠けてたとはいえ、現時点であそこまで戦えてしまうと今後の成長が楽しみ。

崩壊世界が舞台なだけあって、魔法をガンガン使った戦闘だったし、徐々にタイトル通りの話に近づいてきた。とはいえ、コミュニティに入って作戦に正式参加するようになるのはまだまだ先かな。

一方、恋愛方面は六ルート一直線な感じで、嫉妬心をたぎらせるくるみの姿が、痛々しくてみてられない。くるみの依存っぷりが酷くて武もちょっと引いてるし、これはどうしようもない…。このまま変に恋心をこじらせてしまって<トレイラー>、寝返りそうで先がちょっと怖い。

幼馴染という属性がいけないのだろうか…。でも男って六みたいな天然な子に弱いから、武が六に惹かれるのはわかるなぁ。

豚は飛んでもただの豚? 2 / 涼木行

豚は飛んでもただの豚?2 (MF文庫J)

「自分のせいでマイナスからのスタートになるけど、そんなの覚悟していっぱいがんばるだけでしょ。」

MF文庫Jの3月の新刊から『豚は飛んでもただの豚?』の2巻です。

不器用な男の青春物語なのは1巻と変わらず。

中間テスト前の勉強で苦しむ間宮の話。
中学生時代に告白しなかったことを悔やむ瑞姫の話。
ボクシングの試合で負けて悩む間宮の話。
と、中編が3つといった感じの内容でした。

どの話も、高校生活の真面目な悩みを描いた内容で、いい意味でライトノベルらしくなかった。間宮と瑞姫がそれぞれ落ち込んでいるときに励まし合う姿はこれぞ青春って感じがして良かった。惜しむべきは、まだまだ友達といった感じで、恋仲には当分ならなそうなところ。藤室三姉妹と間宮の関係をもう少し進展させるのかと思いきや、想像以上に進展がなくちょっと肩透かしでした。

特に本命の長女、綾との関係がほとんど進展しなかったのは残念すぎる。次女の雲雀との方がフラグ立ってる気がするのは気のせいかな?今回の間宮の内面描写を見るかぎり、それもしょうがないと思ったけど、最後の最後で、今まで以上に頑張るしかないと気づいたので、次こそは藤室三姉妹たちとの関係を進展させてくれるに違いない。せっかくの夏休みだし、携帯も手に入れたし、間宮くんはきっと頑張ってくれるはずだ。

変態王子と笑わない猫。 5 / さがら総

変態王子と笑わない猫。5 (MF文庫J)

「ボクはもう、なにがあっても、女の子を泣かせたりはしない。ぜったいぜったい、心にちかったんだ」

筒隠姉妹の祖母からイタリアへ帰ってくることを勧められ悩む姉妹。どうも、過去の記憶で祖母と姉で食い違いがあるようだ。そんなとき「過去を確かめたいという思い」を笑わない猫が叶え10年前にタイムスリップすることになってしまった横寺と月子。10年前の筒隠家には、今は亡き筒隠姉妹の母の姿だけがあった…。

MF文庫Jの3月の新刊から『変態王子と笑わない猫。』の5巻です。
月子ちゃんと横寺のやりとりが相変わらず微笑ましくて素晴らしい。

そんな彼等のやり取りとは別に今回のストーリーは泣かせてくれて、とても良い話でした。
大事な選択を間違えてしまった結果、離れ離れになった母娘が絆を取り戻すという展開がグッとくる。家族の絆ネタはどうしてこんなにも心を揺さぶるんだろう。

「いいも悪いもねえよ。おまえも『こっち側』だろうが」

現代に戻る前に横寺が見た風景は胸に来るものがあった。


ここから先は重大なネタバレありの感想となります。(未読注意)

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Tとパンツとイイ話 2 / 本村大志

Tとパンツとイイ話 2 (MF文庫J)

「『俺がお前の家族になってやる。だから泣くな』」

幼馴染とのイチャイチャするラブコメ『Tとパンツとイイ話』の2巻です。
中編3編と小編2編の合わせて、5編が収録されていて、どの話も飽きさせない面白さでした。

前回のラストでギクシャクした関係になった主人公とヒロイン。
1話目は仲直り回だったのですが、仲直りのきっかけを作るために、風邪引くまで海でバタフライするヒロインは斬新すぎる。仲直りの仕方も、イチャイチャしてるとしか思えないやり方だったし。いいぞもっとやれっとなる、希少なラブコメだと再認識。

2話目ではそんなヒロインに強力なライバルが登場。
ライバルの登場に自分の女子力不足に悩む4話目のヒロインは可愛かった。

ライバルが登場しようがヒロインの友人そまりが言うとおり、主人公とヒロインの仲はもう鉄板だから大丈夫だと思う。

この物語のイチャラブ以外の魅力であるボケも、他の物語とは違った感じで面白い。
シリアスパートに傾かずバランス良くこのまま続けて欲しいな。
次の巻も楽しみ。

あおはるっ! / 内田俊

あおはるっ! (MF文庫J)

「一人じゃない。そういう場所だよ、『謳歌荘』は」

MF文庫Jの1月の新刊から『あおはるっ!』です。
あらすじに惹かれて購入。
簡単にいってしまうと、電撃文庫の『ペットな彼女』みたいに、クリエイターを目指す高校生が寮に集まって青春を謳歌するお話でした。

ラノベ作家を目指して執筆の毎日の過ごす、新堂有。
本物のロックンロールを追い求めるバイト戦士、住吉小町。
編集者を目指す謳歌荘の母こと、ドSの源いずみ。

そんな3人の少年少女が夢を叶えるための毎日を過ごしている『謳歌荘』に、ちょっと訳ありな少女「葵すず」が引っ越してくるところから物語が始まります。


一部、唐突に視点が変わるところが少し気になりましたが、面白かった。
夢をあきらめかけていたり、自分がこのままでいいのかと悩んだりとする彼等の姿は青春という感じで眩しく、羨ましかった。

登場人物の中では自分を変えたいと思いつつも、自分から行動にうつさないいずみに共感を覚えた。願わくば彼女には、この先変わってもらいたいな。


終盤、個人で活動していた彼らがすずのために力を合わせて一つの作品を作り始める展開は、作中にもあるとおりご都合主義かもしれない。
だけど私はそんな物語がやっぱり好きだな。
みんなで力を合わせて何かを達成するってのは青春って感じがして、とても素敵。


次回はどんな展開を迎えるか楽しみ。
ブコメ分が少なくて物足りなかったので、次はもう少し増量してるといいな。