クロクロクロック 1/6 / 入間人間

クロクロクロック 1/6 (電撃文庫)

「新しくなるから正解、ってわけじゃないわ」

6丁の拳銃をキーアイテムとした6人の視点で描かれる群像劇。
入間先生の新シリーズ、『クロクロクロック 1/6』です。

みーまシリーズで初登場し、メディアワークス文庫でスピンオフとして描かれた探偵花咲太郎こと、通称ルイージを含む6人の視点で物語は進んでいきます。

今回はいつも以上にクロスオーバーが多くてニヤリとした。
ルイージはまた別の殺し屋からいきなり、友達になれそうだとか言われてて笑ってしまった。

クロスオーバーの中には一部思い出せない人物がいたのがくやしかった。
入間作品の相関図が欲しいですね。
丹羽さんは真の親戚かなにかなのだろうか…。

クロスオーバー以外にも、思わぬところでいろいろなキャラが繋がっていたりしていて面白かった。
世間が狭すぎる気がしないでもない。

本作は6日間ある中の1日目ということで、まだまだ物語は始まったばかり。
それでも中盤に大きな動きはあり、これからどんな展開になっていくか予想がつかず続きが気になる。

ブラック・ブレット 4 復讐するは我にあり / 神崎紫電

ブラック・ブレット (4) 復讐するは我にあり (電撃文庫)

「俺がこの腐った世界でまだ生きていたいと思うのは――お前がいるからだよ、延珠」

予想よりも早く崩壊したモノリス
東京エリアの命運を賭けたガストレアとの戦いが今始まる。

電撃文庫8月の新刊『ブラック・ブレット』4巻です。

ガストレアとの戦争とだけあって、尋常じゃない被害。
ただでさえ、強い怪物が統制を取って襲い掛かってくるのですから、戦い慣れた民警達もたまったもんじゃない。
生き地獄とはまさにこのこと。
あっさりと、ひとりひとりと周りの民警やペアを組んでいた子が殺されていくさまは読んでいてきつかった。
そしてそれは、蓮太郎達のアジュバントにも…。

蓮太郎が別任務で離れている間とはいえ、超難度のミッションを終えた後にアレはキツイ。
だけどこれだけの絶望を目の当たりにしても、最後まで諦めずに戦い抜く蓮太郎の姿がかっこ良く惹かれる。
たとえ、周りが彼に団長の資格がないといおうが、彼は最後まで自分の仕事をきっちりとやり遂げた。
プレヤデス、アルデバランの撃退といい、序列に対する実力は伴ってきたと思う。

そして迎えた終章。
ガストレアとの戦争を終えて、一息つくのかとおもいきややってくれました。

闇堕ちした彼女の怖さはなんとも形容しがたい。
小比奈が警告したとおり、誰もよりもヤバいと言うだけある。
是非、蓮太郎に救って欲しいけど、まだまだ力不足だ…。

今後のの彼女の復讐の行方も気になりますが、新たに蒔かれた伏線も気になります。
蓮太郎が彼と再会するときはおそらく敵としてなんだろうな。
延珠の侵食率といい、まだまだ不安が一杯だ。

アクセル・ワールド 12 ―赤の紋章― / 川原礫

アクセル・ワールド12 ―赤の紋章― (電撃文庫)

「ただ、信じる気持ちがあれば……それで世界は変わりますわ。わたくしはそれを、このお二人に教わった……」

電撃文庫8月の新刊『アクセル・ワールド』12巻です。

ウルフ・サーベラス戦の続き、無制限フィールドで出会ったアバターの話、初代赤の王のアビリティについてなどなど、前巻に続き今回も内容盛りだくさん。
重要な伏線も回収され始め、いよいよ話が加速しだした感じです。

だけど今回のメインエピソードはアバターコンテストから選ばれたショコラ・パペッターとの共闘の話かな。

ピンチに新しいアビリティを取得するのは王道だけど好きだ。
取得したアビリティは理論鏡面ではなかったけど、理論鏡面の上位互換な気がする。
これを使って早くタワー攻略して欲しいです。

このエピソードはISSキットによる被害の深刻さが窺えました。
マゼンタ・シザーの言い分も少しわかるだけに、最後はちょっと悲しかったかな。

それにしても、ハルユキはどんだけF型アバターと出会うんだ。
おそらく彼女はゲストで、今後登場しないかと思いますが…、アッシュさんみたいな例もあるので読めないですね。


ISSキットカードに記されていた紋章から、明かされた、初代赤の王のアビリティと黒の王と白の王の確執。
話を聞けば聞くほど彼女がラスボスにしかみえない。
白い王なのに腹の中は真っ黒すぎる。
加速研究会も彼女が操ってるんでは?


最初と最後にあったウルフ・サーベラス戦は戦いを通して通じてあっていくところが熱くて良かったです。
ウルフ・サーベラスは予想どおり3つの人格で、それぞれに保持しているアビリティが違うという設定。
二人目のアビリティもなかなか強力でしたけど、戦闘センスは一人目の方が上かな。

それにしても、まさかのヘッドバット
確かに完全にその存在忘れてましたけど、意外と使い道あるものですね。

アルゴンさんが最後に本性表してたけど、観戦者がいる前であんなことしたら加速研ってわかっちゃうような。もうバレてもいいのかな。

ラストの引きは前回とはまた違ってすごい興奮した。
ピンチに駆けつけるヒーローが彼女とか、川原先生わかってらっしゃる。
あとがき読むと、ついにレギュラーとして活躍してくれるみたいで今から楽しみで仕方ない。

タワー攻略前にまさか救出編挟んだりするのかな?
ディザスター編に続き、ISSキット編も長くなりそうですね。

スクリューマン&フェアリーロリポップス / 物草純平

スクリューマン&フェアリーロリポップス (電撃文庫)

「だってそうでしょ?ほんとに自分のやりたいことをしてるなら、もっと楽しそうにしなきゃ。例えそれがなんの生産性もない無意味な復讐でも、嬉々として実行できなければ嘘だよ」

電撃文庫7月の新刊『スクリューマン&フェアリーロリポップス』です。

ボーイミーツガール&異能バトルもの。
表紙のイラストから受ける印象とは裏腹に派手なバトル展開が多かったですが、主人公に目覚めた力が応用が効くものだったため、読んでいて飽きませんでした。

彼の力は自分の周りにある資源を使って兵器を開発する力。
一見地味な能力だけどこれは条件が揃えば相当強く、実際に強かった。
これでまだまだ発展途上というのですから先が楽しみ。

高校生とは思えないくらい落ち着いてるところも、彼の強み。
ヒロインのお姫様からいきなり重い運命は背負わされたにも関わらず、あっさりと受け入れるその潔さは嫌いじゃない。
一目惚れしたヒロインが、なかなかの悪女で魅力があったせいかもしれません。
そう、彼女は表紙のイラストから受ける印象と違っていいキャラしてました。

でも革命をしようとするくらいですから、これくらい癖が強いのも当然いえば当然。
出会ったばかりだというのにイチャイチャするふたりのバカップルぷりも楽しかった。
他のサブキャラたちもしっかりとキャラが立ってたし、評判通り面白かったです。

私とあなたの青春革命。 / 広沢サカキ

私とあなたの青春革命。 (電撃文庫)

「私と青春革命、はじめましょう?」

アイドル科と普通科の交流を取り締まる生徒会を相手に孤軍奮闘する麒麟堂奏子。
入学早々、彼女に目をつけられた天道優馬はなんの因果か彼女と一緒に青春革命をするはめになるのであった。

アイドライジングの広沢先生が送る新シリーズ、『私とあなたの青春革命。』です。

今回は男の子が主人公の王道ラブコメ
一緒に行動していくうちにヒロインに惹かれていき、さらにヒロインのピンチを救う展開はまさに王道。
頼りきっていた先輩がいなくなっても、簡単に諦めずに頑張る姿はかっこ良かったです。

それにしても、生徒会の横暴っぷりは異常。
言い分も聞かずに一方的に逮捕したり、潜入捜査による摘発、あまつさえ処刑ショー。
過去に起きた被害を再び起こさないために、規則と取締を強化するのはわかるけど、学園を去った彼女はそれを望んでいるのかな。

規則を強めるということは、それだけ人を信用してないってことなんですよね…。
あそこまで横暴な彼等がなんで生徒会やっていられるのか不思議でしょうがない。
選挙とかないのかな。
それとも、学園は生徒会長支持派が多いのかな。

今後、物語はどんな方向に進んでいくんだろう。
個人的にはせっかくアイドル科という設定があるので、もっとアイドル達が物語に絡んで欲しいなと思ったり。
このまま、生徒会長と麒麟堂の争いをメインに描いていくのか、それとも生徒会長や須藤を交えたハーレムコメディに行くのか。
次回が楽しみです。

ミニッツ 2 神の幸運、天使の不運 / 乙野四方字

ミニッツ (2) ~神の幸運、天使の不運~ (電撃文庫)

「目に見えたものは、誰かが見せたがってるものだと思え」
「目に見えたものは、単なる事実だ。目に見えないものの方が、真実に近い」

生徒会選挙に見事に落選した、相上櫻。
当選したのは先月転校してきたばかりの生徒。
琴宮遙の全ポイントは確かに自分に投票されたはずなのになぜ?
この選挙結果を無効とし、再選挙をするための不正の証拠を掴むために二人は動き始めた。

電撃文庫7月の新刊「ミニッツ」2巻『神の幸運、天使の不運』です。

前回はラストが能力バトルになってしまって残念でしたが、今回はゲーム重視の展開。
ゲームのルールはわかるけど、どういう戦術を取れば有利になるのかが掴みづらく、
肝心の勝負の場面で本当にそれでいいのかわからなく、いまいち乗りきれなかった。

勝負の順番で誰が勝つのが事前にわかってしまうのもいただけない。
でも陣内先輩が勝ったところは良いシーンだった。
本性を隠す登場人物が多いためか、裏表がない彼が一番魅力的にみえた。
よもぎさんとは幸せになって欲しい。

そういや結局のところ、よもぎの力ってなんだったんだろう…。
次の伏線?なのかな。
鬼火憑きの共通点を考えると、アザミももしかして力持ってたりするのかもしれない。
でも彼女が使う場面が思い浮かばない。

それにしても、櫻は肝心なところが抜けすぎ。
勝負に勝って、試合に負けたのはまさにこのこと。
爪が甘いにもほどがある…。
彼女のことを信用しすぎたのが敗因かな。
次回、この結果に対して櫻がどう動するのか楽しみです。

魔法科高校の劣等生 6 横浜騒乱編 上 / 佐島勤

魔法科高校の劣等生〈6〉横浜騒乱編(上) (電撃文庫)

「何ボウッと見てるの! 追いかけなさい、吉田君!」

電撃文庫7月の新刊「魔法科高校の劣等生」6巻『横浜騒乱編 上』です。

今回はWeb版からかなり加筆修正が入ってました。
記憶の辿ると確か、この時点では特殊工作部隊の方々が暗躍してる描写はなかったはず。
なので、最後に摩利さんの活躍するシーンが増えてて面白かった。
他にもレオ、幹比古、それぞれにラッキースケベ展開が増えてて、サブカップルの進展具合が伺えたのも良かった。

幹比古と美月のシーンはあの後幹比古がどうフォローしたのか、すごい気になる。
描写されていない以上、妄想するしかないのか。

それにしても、ここまで追加シーンが増えてると思わなかった。
あとがきのとおり、まさに完全版という感じの内容でした。

この分だとバトルメインの下巻にも追加シーンが増えるのかな。
サブメンバーが大活躍し、達也が隠してる最も大きな力が明らかになる下巻が今から楽しみ。