万能鑑定士Qの短篇集 2 / 松岡圭祐

万能鑑定士Qの短編集II (角川文庫)

「また。純粋すぎるよ。世のなか善意を理解できる人ばかりじゃないんだよ。だからこそ……」
「何?」
「パートナーが必要だろ。僕はそう思ってるけど」

万能鑑定士Qの短篇集、2冊目。

今回は連作短編ではなく、普通の短篇集。
印象に残った話は、「雨森恋華の出所」と「チェリー・ブロッサムの憂鬱」。

莉子のおかげか、恋華はいい方向に変わりましたね。
やってることは相変わらず詐欺だけど、シロサギからクロサギに変わった感じかな。
完全に足を洗ってはないけど、これなら大丈夫と感じさせるお話でした。

「チェリー・ブロッサムの憂鬱」の莉子の行動力には驚かされた。
なにしろ、事件を解決しようとする動機が、小笠原とデートするため。

前の巻から、さらに二人の仲が進展してるじゃないですか。
他のエピソードでも、警察で捜査を断られた人に小笠原を紹介していたり、彼に対する信頼度がすごく上がってるのが伺えましたけど、まさかここまで距離が縮んでると思わなかった。

それでも、正式に付き合ってるかわからないあたりは二人らしいなって感じ。
もうさっさと告白して欲しいです。

次回は、万能鑑定士シリーズではなく、特等添乗員シリーズ。
久ぶりの絢奈の活躍が楽しみです。