彼女を好きになる12の方法 / 入間人間

彼女を好きになる12の方法 (メディアワークス文庫)

「きみは理由を欲しがってばっかりだね」

入間さんの『彼女を好きになる12の方法』です。

彼女のことが好きかわからないけど、一緒にいる男と
彼女のことが好きだけど、ずっと片思いの男。
そんなふたりの視点で交互に進んでいくお話。

3年もの間、声もかけずに永遠と片思いしてる様が描かれる男の惨めさがすごい。
こういう男が現実にもいそうで、なんか怖かった。

こうやって文章にして描かれると、その気持ち悪さがより、くっきりとする。
思い切って声かけた結果、避けるべき男として認識されてしまうところとか妙にリアル。
片思いを拗らせるとこんなふうになってしまうのか…。

もう一人の彼と彼女のやりとりは端からみると、イチャイチャしてるバカップルそのもの。
これで付き合ってないとかいっても普通の人は信じないだろう。
付き合っていないからこそ、あんなに楽しく二人一緒にいられるのかな。
あの二人の関係はなんか憧れます。

私は彼女の言い分に納得で、好きになるのに理由はいらないと思う。
むしろ理由があって好きになったものは、理由をつけてあっさりと嫌いになってしまいそう。

1月以降どうなるかと思ったら、以前よりもイチャイチャしてて凄かった。
下手な恋愛小説より破壊力が高いよこの二人。

トカゲ、たったひとつのねがいと、ダーク系な話ばっかり読んでいたせいもあってか、久々にイチャイチャ系の話で読んで心が和んだ。

次はどんな話になるんだろう。