TOKYO GIRL’S LIFE 〜絶対に失恋しない唯一の方法〜 / 菱田愛日

TOKYO GIRL’S LIFE―絶対に失恋しない唯一の方法 (メディアワークス文庫)

「いつからこんなになっちゃたのかなぁ」
「別に恋がしたくないわけじゃないんだけどなぁ」

仕事一筋の真面目人間、遥希。
恋に生きる女、舞衣。
そんな二人の生き方に憧れる、佳奈子。

Bar『シュガー&ソルト』で出会った3人の女性達の恋と友情を描いた物語。

メディアワークス文庫7月の新刊『TOKYO GIRL’S LIFE―絶対に失恋しない唯一の方法』です。

遥希、舞衣、佳奈子のやりとりは、仲の良い三姉妹を見てるかのようで楽しかった。

3人それぞれの視点で描かれていきますが、中でも自分の思っているイメージと周囲のイメージとの乖離に悩む遥希にはとても共感できた。恋がしたくないわけじゃない、でも恋に焦ってもないという彼女の心理も、ここ数年の自分にそっくりでリアルに感じました。

3人の中で一番女の子していた舞衣。
そのあざとさを嫌っていた遥希。

打算で築いた関係がいつしか打算ではなくなっていて、その関係が壊れそうになって初めてその大切さに気づく舞衣。大事なものは失ってから気づくとはいいますけど、完全に失う前に取り戻せて良かったです。より強固になった友情で、遥希を救った舞衣はカッコ良かった。

全体的に遥希主体で描かれていた本作でしたけど、本当の主人公は舞衣だったんじゃないかなと思います。彼女がシュガー&ソルトに来なければ、きっとこの物語は始まらなかった。

面白かったです。