エスケヱプ・スピヰド 2 / 九岡望

エスケヱプ・スピヰド 2 (電撃文庫 く 9-2)

「意味があるとかないとか、そんなの誰が決めるんですか」

尽天から旅立ち、東京に辿り着いた叶葉と九曜は自らを第三皇女と名乗る少女、鴇子(ときこ)と出会う。
命を狙われていると彼女の言葉を疑問を持ちつ九曜だが、叶葉は彼女を受けいれる。一部記憶が欠落しているという鴇子の情報を求め、軍の地下施設に降りた九曜の前にかつての同胞の一人が現れる。

電撃文庫6月の新刊から『エスケヱプ・スピヰド』の2巻。

1巻が綺麗に終わってただけにどう続けるのか不安でしたが、杞憂でした。
予想以上にバトルシーンが多く面白かった。

ただ鬼虫に乗ってない分、派手さは落ちてた気がしました。前回の戦いで蜂を失ったのは大きく、量産型相手に苦戦してるシーンは見ててもどかしい。死んだ思われてた残りの鬼虫が登場したように、蜂も復活しないかな。鬼虫に乗った高速戦闘が恋しい。

そして今回は鬼虫の生き残りとして蜘蛛と蟷螂の2人が登場。
残り5人も行方不明なだけで、どこかで生きてそう。
エピローグを読む限り巴はそうだと信じてるし、そう遠くないうちに登場しそうですね。

九曜がより人間らしくなってましたけど、これは叶葉の影響かな。
叶葉はただ守られるだけのヒロインじゃないのが素晴らしい。
叱ったり、悲しんだり、励ましたりと心のこもった彼女の行動は関わる人をいい方向に変えていく。
九曜だけではなく鴇子までも救ってみせた彼女は本当にいいヒロインだと思う。

新キャラの鴇子は叶葉と九曜に馴染んでて微笑ましいかった。
彼女が辿り着いた真実は残酷だったけど、彼らといれば大丈夫だろう。

暗躍する新たな組織が明らかになったけど、まだまだ情報不足といった感じ。
この先どんな展開になっていくのだろう。
次も楽しみ。