東雲侑子は全ての小説をあいしつづける / 森橋ビンゴ

東雲侑子は全ての小説をあいしつづける (ファミ通文庫)

「深い付き合いじゃなきゃ、人を好きになれないと思う?」

ファミ通文庫5月の新刊から『東雲侑子は全ての小説をあいしつづける』です。

東雲侑子と三並英太のラブストーリーはこの巻でフィナーレを迎えることに。

終わってしまって悲しく思う反面、綺麗に終わってるからこれでいいんだ、というなんともいえない気持ちになりました。

あとがきでも解説されているとおり、本シリーズは東雲侑子が普通の女の子になっていく物語。
だけどそのことによって彼女の魅力が薄れていくことはまったくなかった。
普通の女の子になっていくことによって、より魅力的になっていったと思う。

初々しかったふたりもこの巻では誰もが羨むカップル振りを披露してて、読んでいて羨ましい気持ちで一杯でした。
ここまで好きになれる人に出会うことができた二人が羨ましい。

やりたいことがなかなか見つからず悩んでいた英太が辿り着いた答えは素敵だった。
あの若さであの選択をできるのなら、この先の二人の未来はきっと大丈夫だと思う。

最後に記された東雲侑子からのメッセージを呼んで受けた衝撃を言い表す言葉が浮かばない。
あの1行にはこれまで全てが詰まっていると思う。

この物語に出会うことができて本当よかった。

森橋ビンゴ先生の次の作品も今から楽しみ。