猫にはなれないご職業 / 竹林七草

猫にはなれないご職業 (ガガガ文庫)

「私が死んだら、お前はどう思うんだよ!」

陰陽師として凄腕だった祖母の春子が亡くなり、藤里家を継ぐことになった桜子。
春子の意志もあってか、桜子には陰陽師という家業を秘密にしてきたが、春子が亡くなったことをきっかけに、桜子を狙っていた妖狐が目覚めてしまった。
桜子を守るのはもう、猫又である我輩しかいない!

ガガガ文庫5月の新刊から第6回小学館ライトノベル大賞・優秀賞『猫にはなれないご職業』です。

化け猫のタマや、命とのやり取りは面白かったのですが、設定や話の展開が私には合わなかった。

桜子の魅力を描ききれていないまま、化け猫のタマと親友の命が因縁の相手と必死に戦われても、感情移入できない。
命を狙われている桜子には事情を伝えないのに、その親友である命には命を落とす危険があるのを知っていて巻き込むところなんかは、それってどうなの?と思わざるを得なかった。
話の都合上そういう展開なのは仕方ないとはいえ、もう少しなんとかならなかったのだろうか。

極めつけはギリギリまで駄々をこねてた桜子が、いきなり聖人かの如くなにもかも許してしまうところ。
物語的には盛り上がるシーンのはずだけど、伏線も無しに唐突に成長されてもついていけなかった…。