ギフテッド 2 / 二丸修一

ギフテッドII (電撃文庫)

「何かを成し遂げるには、周りの協力が必要なんだ……。そのためには人の話をよく聞き、謙虚にならなければならない……。そして力になってくれる人を大切にするんだ……。そう、人を信じるんだよ……」

幹部候補生となって天子峰から与えられた初仕事は「大統領選挙」。
三人の候補者の中から一人を選び、選挙に勝利させることになった弥助達。
反天子峰企業連合の「イデア」も今回の選挙に関わってきて、事態は一筋縄ではいかなくなっていく…。

電撃文庫5月の新刊、『ギフテッド』の2巻です。

1巻より確実に面白くなってる。
なにより読んでいて感心させられることが多く、そういう点は『狼と香辛料』に似ているものを感じた。
この巻では大統領選挙を舞台に、組織や信頼について考えさせられる話になっていた。

人から支持を取り付けるのがこうも難しいものだとは。
綾芽が選んだ支持者に驚いたが、彼女が取っていく戦略はそこまで外していない。
だけど、ライバルたちの工作を前になかなか支持率を伸ばせないでいた展開にヤキモキしていただけに、後半の展開はカタルシスがあった。

ケイネスさんのやり方はすごい。
理想的な信頼関係の作り方だと思うけど、あれはやろうと思っても誰もが出来るものじゃない。
ジュニアがあそこまで変わることが出来たのは、私にはそこまで荒唐無稽には思えなかった。

でも、あんな感じにどん底から這い上がっていく展開が好きだから、そう感じたのかもしれない。
少しずつ重ねていったものが最後は人を動かすという展開はベタだけどやっぱりいい。

読了後も興奮がなかなか冷めない作品は久々でした。

次の仕事はついに七賢人の一人「石刀昴」と一緒ということで、期待が止まらない。
続きが楽しみ。