龍ヶ嬢七々々の埋蔵金 2 / 鳳乃一真

龍ヶ嬢七々々の埋蔵金2 (ファミ通文庫)

「人って誰でも誰かに甘えたいし、構ってほしい。何かしてもらって嬉しいと思う。だけどそれって相手も同じじゃない?」

雪姫姉さんと仲違いしてしまった結果、仕送りを止められた重護。
不幸な出来事は続き、七々々ちゃんのせいで高額の光熱費を払うハメに。
金の無い重護は短期間で金を稼ぐために宅配のバイトをすることになるのだが、依頼された荷物はどうみても怪しい白い粉…。一度契約をしてしまったからには途中で投げ出すことも出来ず、重護はビビリながら荷物を運ぶことになるのであった。

ファミ通文庫3月の新刊『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』の2巻です。

ところどころに挟んである小ボケがクスッとくる。
前回同様七々々コレクションハントもありますが、今回はどちらかというと、雪姫姉さんと仲違いをメインにした構成でした。今回の話は、いろいろと身につまされる話でした。

雪姫姉さんは自分のことを裏切らないと考えていた重護が、あっさりと見限られたことがわかってショックを受ける重護。だが彼の態度を鑑みるに、そうなっても仕方がないなって思います。でも、信じていた相手から裏切られたとわかった時の凹みっぷりもわかる。してくれて当前だと思っていたものは、失くして初めてそのありがたさがわかる。慣れというのは恐ろしい物だ。

「自分がして欲しいことがあるように、相手も自分にして欲しいことがあるに決まっているじゃん」

相手に期待は押し付けるが、自分は相手の期待に答えない。
私自身に言われているようで、この言葉きつかった。

七々々ちゃんから指摘されたとはいえ、問題点を認識してからの彼の行動は早かった。
少しずつだけど重護はいい男になっていて好感が持てる。

今回の仲違いは重護だけが一方的に悪いというわけではなく、雪姫姉さんの方にも問題はあった。言う前に察してほしいっていうのもまた甘えで、相手に伝える勇気がないだけなんだと。言葉にしなければ伝わらないものもある。改めてみると、完全にカップルの喧嘩だったなあ。

今回初登場した、3人が本格的に絡んでくるのはどうやたら次回から。
彼等が来ることで学園生活がどう変化するか楽しみ。