ソラの星 / 岩関昂道

ソラの星 (メディアワークス文庫)

「全部、自然に起きたことなんだよ。そのせいでこういう結果になったとしても、誰の責任でもない。だから、ソラ――」

メディアワークス文庫の1月の新刊『ソラの星』です。

帰宅の途中に拾った少女ソラ。
一夜だけ泊めるはずだったのに彼女の頼みを断りきれず、しばらくの間彼女と同棲生活を始めることになった。

いいボーイ・ミーツ・ガールでした。
話の展開の仕方が上手く、文章も読みやすく面白かったです。

彼女正体はまあ予想通り。
好奇心旺盛で知能が良く、知識も豊富、そして自由奔放な行動。
そんな彼女の姿に、どこぞのバカ王子っぽいなぁと感じたのは私だけではないはず。

死を予知する猫の解明に拘る彼女のフリーダムな行動に振り回されるアキラの姿がなんか羨ましかった。ソラと早く別れたがっていたのに、いつのまにかソラに情を抱いてしまったのもわかります。そんな二人の関係の変遷がとても自然に描かれてました。

アキラとソラの関係も素敵でしたが、ちょっと残念だったのは大学の友人、南雲さやか。
彼女の報われなさはちょっと同情してしまう。
健気でいい子なのに。アキラもちょっと鈍感すぎるでしょう。
ソラが従姉じゃないとわかったとき、彼女はきっと悲しむんだろうな。
ソラに負けず頑張って欲しいものです。


ソラに関する謎は残ったままでしたので、続編が出るといいな。