時間のおとしもの / 入間人間

時間のおとしもの (メディアワークス文庫)
時間をテーマにした物語が4編収録された短篇集。
同じテーマなのにどれも違った雰囲気の話で楽しめました。

  • 携帯電波

「いるいるー。だってわたしとお母さんそっくりさんだし」

部屋から見つかった奇妙な電話を使った結果、平行世界の自分と入れ替わってしまうお話。
オチがちょっとしたホラー。

  • 未来を待った男

「未来を待っていればいずれ分かるさ。恋愛も人生も、大事なのは焦らないことだよ瀬川君」

タイムトラベラーがやってくることを待つ瀬川と
時間の研究に熱心な左門の二人の関係を書いたお話。
4つの話の中で一番好き。

左門さんの正体については途中でなんとなくわかってしまった。
そのぶん、最初からニヤニヤさせてもらいました。
入間さんが描く恋愛物ってやっぱりいい。

  • ベストオーダー

「同じ顔の人間が四人もいる。集えばきっと、なにか凄いことができそうだろ?」

平行世界からやってきた自分四人と一緒に泥棒を企てるお話。
話の展開はぜんぜん読めなかった。

最後に出てきたあの登場人物が一番驚いた。
でも嬉しいクロスオーバーでした。

  • 時間の落し物

『それでも、私は時間が止まればいいと思うよ。特に今はね』

2番目に好きなのがこの話。
時間に追われてると感じながら毎日を過ごす主人公の気持ちに共感。
やり直せないんだから、悔いのないように過ごすことの大切さを思い出させてくれました。


ここ数ヶ月は月刊入間状態でしたが、次の新作はいつになるんだろう。
できれば恋愛物をお願いしたい。