はたらく魔王さま! 3 / 和ヶ原聡司

はたらく魔王さま! (3) (電撃文庫)

「親らしく子供のために命を賭けるだけだな。ま、あんま心配すんな。イザってときにはお前に迷惑がかかることには多分ならねぇよ」
「……その自信はどこから湧いてくるのよ」
「根拠なんかねェよ。でも不思議なもんで、アラス・ラムスのためにならなんだってできそうな気がしてくるんだ」

異世界からのゲートが開きやってきたのは一人の女の子。
真奥と恵美は自分たちをパパ、ママと呼ぶアラス・ラムスに困惑する一同。
見に覚えの無い二人だが、みんなで協力して育児に奮闘することになった。


はたらく魔王さまの3巻です。
今回の話で伏線がいろいろ貼られた結果、この物語の方向性がなんとなく決まった気がします。
そろそろマンネリ展開になるかと思ってただけに、上手く話が展開されて面白くなってきました。


大切にしなきゃいけなかったはずのものを、再び守る機会を与えられた真奥。
戦う力のない彼が示した行動は熱く、彼が最後に流した涙はとても良かった。


アラス・ラムスのためにならなんだってできるなら、ちーちゃんには悪いけど恵美と結婚するしかないね。
文句をいいつつも、なんだかんだで距離を縮めつつある二人。
これからも楽しみ。


メインの二人とは別に今回は芦屋と梨香の仲が少しだけ進展したのも良かった。
短編でもいいので、この二人が携帯を買う話はいつか読んでみたい。