悪魔と小悪魔 / 大坂翠

悪魔と小悪魔 (メディアワークス文庫)

「お遊びは終わりだ! さあ、サインするんだ!」
「ひどいわ、バルちゃん」
「今に俺に感謝を捧げるようになるさ」

若手の悪魔だがベテランからも一目置かれるバルサザーが呼び出された先にいたのは二人の少女だった。
貴重な黄金の魂を持つ仁緒と、地獄にとっては厄介者であるエンジェルの魂を持つ蜜。
呼び出した蜜と契約したバルサザーだが、黄金の魂を持つ仁緒と契約しようと奮闘することになる。



メディアワークス文庫9月の新刊『悪魔と小悪魔』です。
かなりどんでん返しが多くの楽しめました。


アメリカンホームコメディといった感じで、前半はかなり読みづらかった。
だけど終盤、前半の話が繋がっていき、ちょっと感動。
何気ないあんなシーンが伏線だったとか、誰も予想できまい。
中盤からの展開はまさに知恵比べは、ことごとく私の予想を裏切ってくれました。




「パパにするつもりじゃないことは確かね。だってあなたは、私のパパになるには若すぎるもの。きっと別の何かよ――パパよりももう少し素敵な何かね」

最後の仁緒のこのセリフ最初読んだ時はわからなかったのですが、前半の歯医者をよく読み返して意味がようやくわかりました。


想像していた物語とは少し違いましたけど、楽しめた一冊でした。