僕は友達が少ない 7 / 平坂読

僕は友達が少ない 7 (MF文庫J) 僕は友達が少ない 7 DVD付き特装版 (MF文庫J)

「だから! んなことどうでもいいって言ってんの! 昔のことなんていつまでも引っ張ってないで、今やるべきことをやりなさい!」

小鷹の妹、小鳩の誕生会をやってからの続き。


アニメ化も決まり絶好調な『はがない』最新刊です。
今回は素晴らしかった。
過去に固執する夜空と、前向きな星奈と二人のヒロインの対比が絶妙な話だった。


10年前の事を脚本に織り込むくらい固執する夜空。
親が決めた婚約についてあっさり流して自力で頑張ると言い切る星奈。


この巻で、夜空はついに幼馴染というアイデンティティさえも奪われたような感じ。
今後の彼女はどう行動していくんだろう…。
ここまで落ちて行くヒロインはちょっと記憶にない。
猫カフェのシーンの夜空が可愛かっただけにその後の展開は残酷すぎた…。


成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗かつ前向きな星奈がライバルというのはキツい。
「星奈さえいなければ今ごろ…」と嘆く、夜空の気持ちもわかります。




今回一番の衝撃はラストの理科の小鷹への問い掛け。

「もうそろそろ、先に進んでもいいんじゃないかな? だって――」

理科に指摘されてもあくまで気づかぬ振りを続ける小鷹も怖い。
ヒロインたちの気持ちも本当は気付いていてるのでは?
隣人部の現状維持を望むなら、確かに気づいていない振りくらいはするだろう…。


だけどあの会話は確実に何かを変えた。
隣人部はこの先に前に進むのだろうか?


今後の展開が楽しみになってきた一冊でした。