特異領域の特異点 真理へ迫る七秒間 / 範乃秋晴

特異領域の特異点―真理へ迫る七秒間 (電撃文庫)

「やあ。来たね、若き科学者の諸君。ところで――」
「この世の真理を知りたくはないかい?」

『特異領域の特異点(シングラリティ・オブ・ドメイン)』が発生後、世界のありかたが変わってしまった近未来。
物理法則が書き換えることができる特異領域理論を学ぶ学生である賢悟はある日、
特異領域理論を提唱した5人の天才科学者の1人天川理璃の講演を聞く。
その講演の中に隠されたメッセージ(救難信号)を受け取った賢悟は天川理璃に合いに行く…。


メディアワークス文庫の『マリシャスクレーム』でお馴染の範乃先生の新作『特異領域の特異点』です。


設定が凝っていて、理解するのが大変でしたけど楽しめました。
途中でこの物語がどこに進んでいくのかわからなかったけど、最後は上手くまとめたと思います。


特異領域による戦闘もあるのですが、そちらよりも世界観や人間の意識についての考え方が面白かったです。

  • あらゆる物質が過去から未来へ時間を移動しているという時間移動説。
  • 意識は世界の外側にあるのではないかという仮説。

など、最近のライトノベルの中では珍しくSFやっているなと思いました。
機本伸司さんの『神様のパズル』のような作品が好きな人は大丈夫だと思いますが
やはり人を選ぶ作品だと思います。


途中衝撃的な展開もあるのですが、最後はハッピーエンドで終わって良かったです。
一巻完結だったようなので、ぜひ次はマリシャスクレームの続きを書いて欲しいです。