トカゲの王 1 〜SDC、覚醒〜 / 入間人間

トカゲの王 1 〜SDC、覚醒〜 / 入間人間 / 電撃文庫
トカゲの王 (1) ―SDC、覚醒― (電撃文庫)

「大丈夫。全部、私の思ったとおりになるから、それがお金持ちの生き方だもん」

主人公は中学三年生の五十川石竜子(いかがわとかげ)には自分の目の色を変えるリペイントの能力を持っていた。
ただ目の色を変えるだけの力のわけではない、未だに眠る力があるんだと信じていた。
廃ビルで修行に取り組んでるある日の夜にトカゲは殺し屋達の争いに巻き込まれていく…。


入間氏の新作、トカゲの王です。
入間氏初の能力バトル物。


バトルによる負傷の描写が生々しくて、精神的にキツかったです。
敵味方、ここまでボロボロにされる展開は中々見ないですね。
耐性が無い人にはキツイかもしれません。
いろいろとグロかったです。
トカゲが這いつくばって敵を追いすがるイラストは凄かった。


以下ネタバレを含んだ感想。未読者は注意。








登場人物の中で一番普通じゃないと感じたのはヒロインの巣鴨
米澤穂信さんの小市民シリーズに登場する小山内さんや、スニーカ文庫の菜々子さんと同じ、
裏から全てを操る感じのタイプです。
ですが巣鴨は彼女達以上にダークでした。


トカゲの眼球が欲しいという理由だけで殺し屋5人+一般人1人を巻き込んだり、
殺し屋であるナメクジの腕切断とか、
自分の欲求に素直すぎて怖いです。
本作の裏の主人公は彼女と言っても過言ではないかも。
今後も彼女が色々暗躍しそう。


ヒロインと言えば、クラスメイトの成実ちゃんが
とても素晴らしかったのですけど、いつか死にそうで怖いです。


傷も癒えないまま、次の相手に勝負をふっかけるトカゲ。
無能力と言ってもいい、彼が今後どう切り抜けていくか楽しみです。
病室でのカワセミとのやりとりで、自分の能力の使い方に気づいたようなので大丈夫だとは思いますが。