万能鑑定士Qの事件簿X / 松岡圭祐

万能鑑定士Qの事件簿X / 松岡圭祐 / 角川文庫
万能鑑定士Qの事件簿X (角川文庫)

「わたしがいまあるのは、瀬戸内店長のおかげです」

面白くて知恵がつく人が死なないミステリー
万能鑑定士シリーズ10巻目。


今回は莉子が初めて事件を解決した話で、時系列的には万能鑑定士として独立した直後。
右も左もわからず、イキナリ詐欺師にダマされる莉子は新鮮。


莉子を育てたディスカウントショップの店長、瀬戸内陸が再登場。
莉子の抜群の推理力が育まれた謎が今作で判明します。
他にも語られなかった2巻の直後のシーンも。


ところどころ、現政権批判が入ってたのは面白かった。
相変わらず時事ネタを上手く挟みますね。


瀬戸内店長は職業を絶対間違えた。
先生とか、講師やってた方が幸せだったんじゃないかな…。
でも店長をやっていなかったら今の莉子も存在しないと思うと複雑です。


莉子を育てることは自分の首を締めることだとわかっていながら手を貸した瀬戸内店長。
逮捕されてもそのことを悔やまず、さらにアドバイスまで送るとか器大きすぎ。

彼女の中でどれだけ店長の存在が大きかったか分かる話でした。