カミオロシ 〜縁結びの儀〜 / 御堂彰彦

カミオロシ 〜縁結びの儀〜 / 御堂彰彦 / 電撃文庫
カミオロシ―縁結びの儀 (電撃文庫)

「あら、別に来てほしくないなんて言ってないわよ。むしろよかった。あなたがいて」
「別にお前に得になるようなことなどしないぞ」
「いいのよ。いてくれるだけで」
「…………」
「ストレスの捌け口があるのとないのでは大違いだもの」

幼い頃に神降ろしの儀式を行ったことのある玖流緋澄とその幼馴染の美古都は
縁結びの神様である天降姫神を奉っている天降神社へ、他の生徒達と一緒に課外活動に向かうことなる。
降神社で恋愛成就のおまじないを行うと、恋を叶えてくれると聞いていた他の生徒達は深夜におまじないを実行する。
その翌日、一人、一人と生徒が死んでいく…、恋愛成就のおまじないがなぜ…。


付喪堂骨董店』の作者の新刊、『カミオロシ』です。
ジャンルはオカルトとミステリーの組み合せ。
人がバタバタと死んでいき、結末も救いが無い話でしたけど、意外と読後感は悪くなかったです。


なにより主人公の玖流とヒロインの美古都のやりとりが素晴らしかった。
端からみるとお似合いな二人なのに、二人は認めたがらないみたいな関係で、口を開けば皮肉を言い合う二人。


それでも要所要所で、お互いが信頼しあっているのがわかって堪らなかったです。
信頼し合ってるからこそ、あんな感じのやりとりになるんだなってのが分かります。
微笑ましいというか、なんというか。
全体的に二人っきりのシーンが多くてとても満足しました。


過去に行った緋澄が神降ろしの儀式の顛末には、色々秘密が隠されているみたいです。
今後、緋澄と美古都にどう影響あるか楽しみですね。
この二人が最後素直になったときの破壊力は想像を絶することになりそう。
また一つ楽しみな作品が生まれました。