変態王子と笑わない猫。3 / さがら総

変態王子と笑わない猫。3 / さがら総 / MF文庫J
変態王子と笑わない猫。3 (MF文庫J)

「本当に大切なものは変わりっこないんだ。そのことに気がつくまで、君は絶対に追いつけない」

横寺を音読みすると王子になると、今作読んで気づきました。
変態王子第3巻です。


小豆梓の逆襲のターンかと思ったら、そうでもなかったです。
謎の少女『エミ』が今回のメインです。
月子とつくしはそれなりに出てきましたけど、小豆の出番は少なめでした。
中盤の地の文に、「逆襲のヒロインに内定していたのにボツになった」みたいな
メタ発言まで出てたので、このまま終わるのかと思ってたいたら、
終盤に予想外の展開になり衝撃を受けました。



以下ネタバレ注意











それまで展開がゆるかったせいもあり、猫神憑依小豆の登場は本当に衝撃的でした。
ラスボスがまさかこんな形で登場するとはまさに想定外。
猫神から、小豆の深層心理を付きつけられ焦る王子。
そのまま追い込みをかけられて、二者択一を迫られる。
当然、『正解』なんてある問ではない。
けれども結論を出して、猫神を出し抜いたのは見事でした。


それでも根本的な問題は解決したとは思わないですね。
むしろ問題を先延ばしにしただけにみえました。
小豆が『幸福な王子』に出てくる『ツバメ』という例えは本当だと思いますし、
王子とキスをしたくらいじゃ、月子に勝てると思えない…。


1巻の前日談にあった月子と王子のエピソードは、ただ単に王子が忘れていただけかと思ってたのですが、
どうも違うみたいですね。
そのあたりの謎は次巻に持ち越しのようです。
そして月子に『百パーセントの笑顔』が戻るときがこのシリーズの最終話なのかな?


次回の展開が気になる第3巻でした。