こうして彼は屋上を燃やすことにした / カミツキレイニー

こうして彼は屋上を燃やすことにした / カミツキレイニー / ガガガ文庫
こうして彼は屋上を燃やすことにした (ガガガ文庫)

「一緒にやりません? 復讐。死ぬのはそのあとでも遅くないでしょう?」

第5回ライトノベル大賞ガガガ文庫部門<ガガガ大賞>の
こうして彼は屋上を燃やすことにした」です。


主人公は彼氏に振られて、屋上で自殺を図ろうとした、女の子『ドロシー』
彼女は自殺を決意したその日に屋上で、3人の人物に出会う。
『勇気が無い』ライオン
『知恵が無い』カカシ
『心が無い』ブリキ
彼等に出会い自殺を延期したドロシー。
自殺を思いとどまったものの、毎日彼氏との思い出に苦しめられるのは変わらない。
そんなドロシーは彼氏との思い出の無い場所、『屋上』に足を運ぶようになっていた。


こうして彼女は屋上に通うことになった。


オズの魔法使い』を題材にした青春学園物です。
オズをなぞらえてるだけあって、最後はハッピーエンドなんですけど、その過程が青春していて私は好きです。
ライオン、カカシ、ブリキを変えていくドロシーが格好良かった。


自分のエゴだと思いつつも彼等に関わり、救ってしまったドロシー。
彼等を救うことで自分も救ってしまった。
最後は、苦しかった思い出を宝物と言えるくらい強くなったドロシー。
人が成長していく物語は読んでて気持ちいいです。


次回作が楽しみな作品でした。