キミとは致命的なズレがある / 赤月カケヤ

キミとは致命的なズレがある / 赤月カケヤ / ガガガ文庫
キミとは致命的なズレがある (ガガガ文庫)

『お願いだから、私を見つけて。そうすればあなたは救われる』

階段で転んだことをきっかけに、フラッシュバックされる当時の記憶。
それは過去に人を殺したことを想起させる記憶だった。
次の日から毎日届く、不幸な手紙。
数年前に起きた殺人事件の犯人は自分の別人格なのではないかと疑心暗鬼になっていく、主人公。
もう一人の自分という恐怖に怯えながら、記憶を取り戻すために彼は動き始める。


第5回ライトノベル大賞ガガガ文庫部門<優秀賞>
凄い新人が出てきた。
こういうダークな作品でも賞を与えてくれるガガガ文庫は素晴らしいです。
読み始めたら続きが気になって止まらなかったです。
新人とは思えない文章力で読ませてくれました。

特に主人公がどんどん追いつめられて行くところは雰囲気がとても良かったです。
最後に伏線が見事に回収されていくところは唸りました。

殺人鬼に関する考察も面白かったです。
確かに普通の人と比べて『致命的なズレ』があるから、人をあっさりと殺すことができるんだなと。


デビュー作でここまでのものを書いてくれると、おのずと次回作も期待しちゃいますね。