なれる!SE 4 誰でもできる?プロジェクト管理 / 夏海公司

なれる!SE 4 誰でもできる?プロジェクト管理 / 夏海公司 / 電撃文庫
なれる!SE 4 誰でもできる?プロジェクト管理 (電撃文庫 な)

「藤崎さんにとって……プロジェクト管理ってなんですか?」
「みんなが気持よく仕事できるようにすること」

SEをテーマにしたライトノベル、「なれる!SE」シリーズ4冊目です。
今回のテーマはプロジェクト管理、プロジェクトマネージャのお仕事の話です。
IT業界に関わらず、他の業界でもプロジェクト単位で仕事を行っている人にも参考になる部分があると感じました。
今回はまだ1年目の桜坂がまたしても、社長のむちゃぶりによりプロジェクトマネージャーをやることになります。


顧客はベンダーに丸投げでやる気が無く。
納期は厳守。
プロジェクトに関わる各ベンダーの担当範囲は曖昧。
頼みの上司、藤崎は炎上プロジェクトに軟禁されてる。


こんな状況かつ、自分のプロジェクトマネージメントの知識が零の状態からプロマネやれとか無理です。
逃げた、別府君の気持ちがわかります。


今回は前巻で登場した橋本課長から助言と、
室見から受け取った勉強会資料によってなんとか事無きを得ました。


以下はその資料の抜粋 P216〜

『プロジェクト管理に最低限必要なドキュメントはプロジェクト計画書にWBS、スケジュール、課題管理表の四つとする』
『不要なドキュメントの作成は厳に慎むこと!管理コストの増大を招くだけ(PMの自己満足)』
...etc

ドキュメントはプロジェクトの規模に応じて適宜準備とのこと。
本作では+αとして体制図の作成をアドバイスされていました。

一番ためになったノウハウは
『プロジェクトチーム内のトラブル。対立するプロジェクトメンバーの制御手法』
本書ではプロジェクトメンバーを以下3つのタイプに分類してました。


『<サーバ>タイプはPMを顧客として扱う』
『<ツール>タイプは完全に作業員として振舞う』
『<顧客>タイプはPMを奉仕者としてみなす』


実際の制御手法については本書を読んでみてください。


前回の提案の話でも感じましたが、今回の経験を経て桜坂はもう完全に新人のレベルを超えてしまった。
うちの新人と比べると泣けてくる。
というか私(6年目)と比べても桜坂は有能だ。
修羅場を乗り越えるとレベルアップするのはわかるけど、やっぱり凄い。
室見が呆れるのもわかります。


室見の勉強会資料は他にもまだまだありそうですし、
どんどん知識を吸収して実践して行く桜坂に今後も注目していきたいです。