万能鑑定士Qの事件簿IX / 松岡圭祐

万能鑑定士Qの事件簿IX / 松岡圭祐 / 角川文庫
万能鑑定士Qの事件簿IX (角川文庫)

「わたし個人的な問題なんだから、構わないで」
「きみひとりじゃなくて、ほかにも大勢の人が困り果てる事態なるといったら? 助けなくてもいいの? さあ、旅の支度をして」
「やだってば!」
「わたしにはもう何も見えないの。何もできない。ただの田舎の馬鹿娘でしかないんだから、干渉しないで」
「がっかりさせんなよ!」

パリのルーヴル美術館に展示されている『モナ・リザ』が急遽日本に来ることになり、
ルーヴル美術館が臨時学芸員として、モナ・リザの真贋を瞬時に見極められるレベルの鑑定家を募集していた。
ルーヴルの元学芸員を助けた縁もあり、莉子は真贋鑑定の能力テストに参加することになった。


2010年の4月から刊行されて早1年。
万能鑑定士Qの事件簿、9巻目です。
相変わらず安定して面白さのシリーズですが、その中でも本作はシリーズで一番面白かったです。
何より最近いいところが無かった小笠原がついに活躍!


落ち込んで絶望の淵に落ちていた莉子を復活させたシーンは過去最高にカッコ良かった。
ようやくニブイ莉子も惚れたような気がする。


今作では第三者視点から、莉子と小笠原の二人は良いパートナーと描写されていて、外堀は大分埋まってきてるようにも見える。

二人の距離がようやく縮まり読書後はテンションが上がりました。
ますますこのシリーズが楽しみになってきました。


次巻もこの調子で二人の活躍を読みたいところですが、
どうやら次巻は、莉子が初めて事件を解決した過去の話のようなので小笠原の出番は無い様子。
少し残念ですが、初めての事件も気になりますね。
今から二ヶ月後が楽しみです。