0能者ミナト / 葉山透

0能者ミナト / 葉山透 / メディアワークス文庫
0能者ミナト (メディアワークス文庫)

「密室に二人の男女がいました。一人は頭から血を流して死んでいる男、もう一人は銃を持った女です。女は男にさんざん貢がされ、あげくのはてに捨てられた過去がありました。さて男はどうして死んだのでしょう?」

2月メディアワークス文庫から5冊目。
怪異を霊能力や法力以外の方法で解決するお話。
面白かったです。


ぶっ飛んだ解決方法にも驚いたけど、何より主人公ミナトの言動もかなりアレな感じで新鮮だった。
あの型破りな態度や思考だからこそ、普通とは違う解決方法が思いつくんだろう。
ここまで毒舌でツンデレな男の主人公はちょっと記憶にない。
特殊な力を持たないミナトの変わりに、力を持つ沙耶とユウキの二人がいるためバランスは取れてますね。
特に沙耶とミナトの会話が好き。

「銃以外の死因だったらなんでも正解にしたさ。恨みのある女が銃をもっていたからといって、それで撃ったとは限らない。同じように呪いの館だからといって、原因不明の症状がなんでもかんでも呪いだとは限らない。そう言ってるんだ。調べる前に決め付ける、おまえ達の態度を戒めたすばらしいクイズだっただろう」

頭の硬い二人を、なんだかんだいいながら育てようとしてるところが憎めない。


最後のエピローグを読むと続編が出るみたいなので継続して読んでみます。