特急便ガール! / 美奈川護

特急便ガール! / 美奈川護 / メディアワークス文庫
特急便ガール! (メディアワークス文庫)

「ハンドキャリー便は人の手によって、荷物に込められた想いを手渡しで届けるんだ」

美奈川護さんの小説は初めて読むのですが、心が暖かくなるいい作品でした。


主人公はある事情で一流商社を辞めることになった吉原陶子。
彼女は同期の三村から親戚がやっているベンチャー企業を紹介受ける。
翌日面接に向かうとハンドキャリー便のライダーとして入社テストを受けさせられそうになる。
(ハンドキャリー便…手に持てる荷物を電車、新幹線、航空機などを使い可能な限り最短時間で遠方の相手に直接手渡しで確実に届けるサービス)
事前に聞いていた事務職採用の話と違うことを理由に断ろうとするも、如月社長の挑発に乗ってしまい入社テストを受けてしまう。
入社テストを無事こなすも、新たに入った飛び込みの依頼まで如月社長に任されて(挑発に乗って)しまい、陶子は京都まで荷物を運ぶはめになるのであった。
この依頼から陶子に不思議な現象が起こるようになった。


人の想いの篭った荷物が本当に届けたかった人の所に飛ばすという設定は素敵だった。
どれだけ離れていようが一瞬で飛翔させる力。
陶子もワープするごとにこの力の意味に気づいていき、最後にはそれを利用して自分達の会社の運命も変えてしまった。
物に込めれれた想いって凄い。その荷物は届けただけ本当に相手に想いが伝わるんですから。


面白かったです。次の作品が今から楽しみです。