ソードアート・オンライン1 アインクラッド / 川原礫

ソードアート・オンライン1 アインクラッド / 川原礫 / 電撃文庫
ソードアート・オンライン1アインクラッド (電撃文庫)

「キリト君はわたしにとって、ここで過ごした二年間の意味であり、生きた証であり、明日への希望そのものです。わたしはこの人に出会う為に、あの日ナーヴギアを被ってここに来たんです。……ニシダさん、生意気なことかもしれませんけど、ニシダさんがこの世界で手に入れたものだってきっとあるはずです。確かにここは仮想の世界で、目に見えるものはみんなデータの偽物かもしれない。でも、わたしたちは、わたしたちの心だけは本物です。なら、わたしたちが経験し、得たものだってみんな本物なんです」

このライトノベルがすごい!2011の結果を見て、手に取りました。
今までこの作品のようなファンタジー色が強い小説は敬遠していたのですが、本当もったいないことをしていたんだと気付かされました。
素晴らしかったです。
寝る前の読み始めたら、止まらなくなってしまいました。


今よりも進んだ未来の日本で、VRMMOという仮想大規模オンラインゲームが話の舞台となっています。
一般に普及しているオンラインゲームとの違いはナーヴギアという装置を頭から被ることで、脳に直接情報を送り込んでゲームを行うところです。
ユーザは仮想の五感情報を与えられるため、仮想空間でアバターをダイレクトに動かせるところがまさに今までのゲームとは違います。
このナーヴギアを使ったVRMMORPG「ソードアート・オンライン」の正式版稼働日に、主人公のキリトや他のプレイヤー達はβテスト時にはできたログアウトができないことに気づきます。
混乱の後、ゲームマスターにより広場に集められた1万人のプレイヤー達は驚愕の事実を知らされることになります。


ログアウトできないのは仕様であり、SAOの舞台「アインクラッド」の最上部第百層のボスを倒してゲームをクリアすることだけがこの世界から脱出する唯一の方法であると。
ここでの死は現実世界での死を意味し、現実世界で強制的にナーヴギアが外された場合も脳がマイクロ波で破壊され死亡する。


2年後、アインクラッド攻略階は73階であり、プレイヤーは6000人まで減っていた。



このあたりの設定の説明は作中の文章の方がとても分かりやすく、頭にすぐに入っていきます。
過去にMMOをやっていた、RPGが好きな人はハマるはずです。
主人公のキリトは強くてカッコ良く、ヒロインのアスナも可愛くて強い。
この二人が本当にお似合いで、こんなに早くカップルになる展開は最近じゃ珍しいですね。
でもそれがイイ。
ハーレムじゃない王道な恋愛展開は最近貴重です。


ってきり残り4巻分まるまるアインクラッドの舞台の話かと思っていたら
あっさりクリアしてしまったので驚いてしまいました。
次巻以降どうなるか気になります。