マリシャスクレーム2 ―MALICIOUS CLAIM― / 範乃秋晴

マリシャスクレーム2 ―MALICIOUS CLAIM― / 範乃秋晴 / 電撃文庫
マリシャスクレーム〈2〉―MALICIOUS CLAIM (メディアワークス文庫)

「弱いならごまかさず逃げ続けろ。決して戦おうとするな。絶対に負ける勝負に挑むのは馬鹿のすることだ」
「……そんなのダメじゃないですか。結局、逃げたら負けですよ」
「違う。弱いなら戦うのが負けだ。逃げもしないのが負けだ」
「弱いなら強くなるまで逃げ続ければいい。負けられない勝負に、いつか勝つために逃げるのは正しい。逃げ惑うことがどれだけ辛かろうと負ければそれで終わりだ」

非人間的異常性悪質クレーマー通称IPBCと苦情対応を専門とする大規模なエマージェンシーカスタマーセンターとの戦いを描く
マリシャスクレームの第二作目です。

前作が面白かったので二作目が出てくれて良かったです。
今回はIPBCの攻撃によりエマージェンシーカスタマーセンターの回線がパンクさせられる事態に陥られます。


以下、ネタバレ含んだ感想
前回は一人二役でしたが、今回は二人一役。
双子のIPBCが相手でした。
IPBCに真っ向から立ち向かって相手できるのは同じく元IPBCである榊原だけ。
この状況でまさかの二人同時対応という離れ技を達成。
さすが常光さん、常人にできない事を平然とやってのけるぜ。
最後の最後まで相手に、二人同時対応をやってることを気づかせないあたりがすごい。
どんな頭の回転してるんだよ。カッコ良すぎ。

同じ名前を名乗る55人の中から、声を同時に聞いてIPBCを特定した宮ノ内さんも常人じゃないです。
流石、常光を好きになるだけある。
榊原の意図を読み取って瞬時にサポート出来るのは、惚れてるにしてもカッコいいです。
恋の力は凄いです。
ですが、常光さん「好きという感情」がわからないのはやっぱりどうかと思う。
宮ノ内さんが可哀想すぎる。


最後のシーンを読むと宮ノ内さんの父がどうやらIPBCであるようで、
もしかしたら、続刊では榊原の過去と同じように宮ノ内さんの母親も…なんて展開になるんでしょうか。
榊原と宮ノ内さんの仲もどう進展するか気になります。ハッピーエンドであって欲しい。
今から3冊目が楽しみです。