死なない生徒殺人事件 〜識別組子とさまよえる不死〜 / 野崎まど

死なない生徒殺人事件 〜識別組子とさまよえる不死〜 / 野崎まど / メディアワークス文庫
死なない生徒殺人事件―識別組子とさまよえる不死 (メディアワークス文庫)

「私はね。友達というのは"対等"な関係だと思っているんだ。それはもちろん、多少の差だったら埋められると思うよ? 上司と部下だとか、お金持ちと貧乏人だとか、その程度の差なら乗り越えて友達になる事だってできるだろうさ。ただね。私の場合は違う。私と天名さんは"永遠の命の生徒と普通の生徒"なんだからね。」

生物教師・伊藤が着任した女子高には「永遠の命を持った生徒がいるらしい」という噂が流れている。
話半分に聞いてた伊藤はある日、女子生徒から私がその「永遠の命の生徒」だと告げられる。
しばらくして、その彼女は何者かに殺害されてしまう。

面白かったです。
不死の秘密については最後まで解けなかったのですが、一番最後のオチの部分は正解しました。
ヒントは結構あったので、分かった人は多いと思います。

以下ネタバレを含む感想
本物が言うように、識別は一見不死のようにみえますが、指摘されているとおり不死に限りなく近い存在ではありますが、偽物でした。
だから、彼女と識別は対等ではないため、友達にはなれなかったわけです。

不死というのは孤独なんでしょうね。
孤独というのは死ぬことよりも辛いのでしょう。
だからこそ彼女は自分と同じ不死なのかどうか、どうしても確かめたかったのだと思います。