RPF レッドドラゴン 1 第一夜 還り人の島 / 三田誠 虚淵玄 奈須きのこ 紅玉いづき しまどりる 成田良悟

RPF レッドドラゴン 1 第一夜 還り人の島 (星海社FICTIONS)

「……なあ、忌ブキ、エィハ。このニル・カムイは本当にしんどい場所だぞ」

星海社Webサイト「最前線」にて連載中の作品『RPF レッドドラゴン』です。

普通の小説ではなく、TRPGテーブルトークRPG)をプレイしてる様子まとめたものとなっていため、
若干とまどいながら読み進めていましたけど、仕組みがわかりはじめると面白い。

こんな贅沢な遊びがあっていいのだろうか。
プレイヤーのメンツも豪華ですけど、なによりもその集められた5人のために作られた世界観や様々なシナリオのクオリティがすごい。

あとがきにもあるとおり、プレイヤーが選択しなかった、選択できなかった様々な没サブシナリオを思うとその凄さがわかると思う。
これをまとめた、フィクションマスターの三田さんすごい。

用意された最高の舞台に、彼らが思い描くエンディングに向けて
各プレイヤー自らが作り上げたキャラたちを演じながら、物語を自分に有利な方向へと動かそうとする駆け引きが楽しい。

なにより、みんなノリノリでキャラを演じているのがいいです。

プレイヤーの中では虚淵さんがTRPGをプレイしなれてる動きで、終始チャンスを伺う姿がいい緊張感となっている。
奈須きのこさんが終始、虚淵さんの動きを警戒してるのにあっさりと、裏をかかれてしまう姿は面白い。

そしてそんな虚淵さんでさえも、最後に登場したプレイヤーに出し抜かれる。
読んでいる側としては、そろそろ登場するだろうなと思っていただけに、プレイヤー達の反応に笑ってしまった。

まだまだ始まったばかりなのに、続きが気になってしかたない。
Webで2夜目も読んでしまうかな。