特等添乗員αの難事件 II / 松岡圭祐
「わたしも心配してない。絢奈がしくじるはずがないし」
万能鑑定士の姉妹シリーズと始まった本シリーズの2冊目。
角川文庫の新刊から『特等添乗員αの難事件』の2巻です。
2巻も面白かった。
万能鑑定士シリーズよりも好きかも。
水平思考の『ラテラル・シンキング』を覚え、添乗員に向けられる様々な難題を
次から次へとあっさりと解決していく浅倉絢奈でしたが、彼女らしくないミスをしでかしてしまう。
まだまだ水平思考も自由自在に使いこなせかったようですが、能登先生から新たなアドバイスがまた素晴らしい。
「疑問が頭に浮かんだとき、まずそれを文章化します。そのうえで『なぜ』もしくは『どうして』を『何のために』と置き換えてください」
ロジカルシンキングでは「なぜなぜ」を繰り返すことを教わったけど、水平思考では違うみたい。
たしかに『何のために』という方が、他者の視点で考えることができ、より本質を掴み取れる気がする。
社長が考えた無茶な問題に対する答えは驚いた。
確かにあれならできるけど、あんなの普通の思考じゃ思いつかない。
水平思考の凄さを再実感。
そして壱条家へ招待されたものの、住む世界が違うことを実感してしまう絢奈。
恋の仲が危ぶまれて焦る壱条さんに対するアドバイスも的確。
能登先生すごい。ふたりともいい師を持って羨ましい。
万能鑑定士シリーズにはいない、この人がこのシリーズの魅力のひとつだと思う。
莉子と小笠原とは正反対に二人の仲が急速に進展するのは面白い。
なんかもう結婚しそうなんですけど…。
そして、今回のメインはなんといっても、浅倉姉妹の活躍。
二人で協力して、困難に立ち向かっていく姿が良かった。
次はまた万能鑑定士に戻るのかな。