グロリアスハーツ / 淡路帆希

グロリアスハーツ (富士見ファンタジア文庫)

「ユズカの扱い方、お前には敵わないよ。メリッサ」

特殊な能力を持った人型兵器『贋人(ギニョル)』として生まれた、少女・ユズカ。
彼女を人間に戻すために、アルトゥールとユズカは旅を続ける。

富士見ファンタジア文庫の3月の新刊『グロリアスハーツ 』です。

落ち着いた雰囲気の良質なファンタジーで楽しめた。
なにより主人公とヒロインのなんともいえない距離感がいい。

二人の中には、かつて一緒に旅をしていたもう一人少女メリッサの存在が大きくしめていて、それが物語にいいアクセントとなっている。思い出の中の彼女はとても魅力的で、アルが彼女のことを好きだったのがよくわかる。

物語の後半、家族だと思っていたユズカを初めてひとりの女性として意識し始め、戸惑うアルは可愛かった。ふたりの関係がこれからどう変化していくか、とても楽しみな物語でした。