ダンガンロンパ/ゼロ(上) / 小高和剛

ダンガンロンパ/ゼロ(上) (星海社FICTIONS)

「……落ちこぼれ? 出来そこない? 言っておくけど、あいつをバカにしていいのは俺だけだ。それ以外のヤツには、あいつをバカにする権利なんてないんだよ」

超高校級の生徒が集まる私立希望ヶ峰学園で起きた、希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件。
隠蔽を決定した学園と、一方でよからぬ計画を立て始めた≪超高校級の絶望≫。


過去の記憶を無くし、経験したことを記憶できない音無涼子が唯一記憶できるのは、治療してくれる≪超高校級の神経学者≫松田夜助への想いだけだった。
記憶ノートを頼りに生活をしている音無がある日、自室に戻ると大切に書き留めていた過去の記憶ノートが盗まれていた…。



PSPのゲーム「ダンガンロンパ」の前日譚、『ダンガンロンパ/ゼロ』の上巻です。
前日譚だけあって、ゲームをやっていない人にはオススメできない内容になってます。
未プレイの方は是非ゲームをクリアしてから読むことをオススメします。


ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生


今回は上巻ということもあってか伏線がバラまかれてる感じで、希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件についてはまだ全容が明らかになっていません。
学園長自身すら全容を把握してない状況で、調査を娘に依頼してる状況だったり。
全てを知ってるのは、おそらく絶望ちゃんだけでしょう…。


音無涼子への態度が酷い松田くんですけど、彼の視点でただのテレ隠しなんだとわかってニヤりとしました。
超高校級もそういうところは高校生らしくてよかった。
出来れば彼女と彼は生存して欲しいけど、なかなか望み薄ですよね。





以下はネタバレを交えた感想


















音無涼子が例の事件に関係があるのはおそらく事実で、記憶障害の原因もおそらく、それでしょう。
絶望ちゃんが、音無を巻き込んだと理由を例の事件の関係者だからと言っていましたけど、それはなんか彼女らしくないと感じました。


普通の人なら記憶障害という絶望的な状況に陥ったら絶望するはずなのに、愛さえあれば生きられるという音無涼子。
そんな彼女の希望(松田くん)を奪ってやりたい。


どちらかというと、こういう動機の方が彼女らしいかな、と思ってみたり。
希望を持つ全ての人に絶望を。
絶望ちゃんの行動原理ってこんな感じだったはず。


彼女の目的は明かされましたけど、動機の方は下巻で明らかになるのかな?
下巻ではどういう結末になるか今から楽しみです。