ログ・ホライズン3 ゲームの終わり (上) / 橙乃ままれ

ログ・ホライズン (3)ゲームの終わり(上)

「ボクらなんでこんなに弱いんだっ」
「…」
「ボクは24レベルになった。敵のレベルは17から21というところだ。それでいて、なんでこんなにも苦戦するんだ、これはおかしいじゃないか?」
「…」
「修行を繰り返すしか……ないのか……」

<円卓会議>に届いた一通の書状。
それは大地人<ノンプレイヤー>の領主達の同盟が開く会議と舞踏会の招待状であった。<円卓会議>からはシロエを含む代表達数名が情報収集のためアキバを離れ、社交界デビューすることに。
一方その頃、アキバ側では各ギルドの新人達を鍛える夏合宿が始まろうとしていた。
新人達だけで行うダンジョン内での初戦闘は彼等の意気込みとは裏腹に失敗の連続で…。


オンラインゲームの世界に閉じ込められた人達の冒険を描く『ログ・ホライズン』の第3巻です。
3巻では、ただの「5人の冒険者」だった新人達が「パーティ」になるまでの過程が描かれています。


人が成長していく姿ってなんて素晴らしいんだろう。
連携をバッチリと決められたシーンのカタルシスは凄かった。

為すべきことはひどく単純だった。
お互いに声を掛け合い、相談するのだ。

簡単にいってますけど、これって簡単にはできないことですよね。
現実世界では自分の好きな人だけでチームを組めることは稀で、自分と合わない人ともチームを組まないと行けなかったり。
与えられたカードを理解しないまま勝負するのは難しく、なかなか上手くいかなかったりと。
ミノリ達も当初は苦戦ばかり。
でも、お互いがお互いを理解し合うことが大事なんだなって認識してからは早かった。
綺麗に連携が決まって戦闘が終わったとき、彼等が喜ぶのもわかります。
本当あのシーンは良かった。


新人達の夏合宿だけなく社交界パートも面白かった。<円卓会議>の代表"狂戦士"クラスティのしたたかさや、<三日月同盟>のヘンリエッタとのダンスに戸惑うシロエの姿、
主君に隠れてダンスの練習をするアカツキなど、
ニヤニヤできるところが満載でした。


クラスティはシロエに引きを取らないくらい腹黒だと思う。
レイネシア姫とのやり取りは本当に微笑ましかった。


最後のシーンでは何やらただならない事態が起き始めたようです。
来月発売の下巻が今から楽しみ。