レトロゲームマスター渋沢 / 周防ツカサ

レトロゲームマスター渋沢 (電撃文庫)

「――何も知らないくせに勝手なことばかり言わないでください! レトロゲームは、このゲーム機はガラクタなんかじゃありません!」

放課後の旧宿直室。そこでは二人の人物がいた。
品行方正の学園の優等生である委員長の早坂ちひろと、不良生徒の渋沢である。
渋沢を更生させるためにやってきた委員長であったが、
いつの間にか彼が持ち込んだレトロゲームにハマってしまう。
委員長と渋沢のレトロゲームライフが始まった。


8月の電撃文庫から新作「レトロゲームマスター渋沢」です。
これは面白かった。


登場するゲームはマリオ、ドラクエといった有名所から
燃えプロツインビーボンバーマンエキサイトバイクハイパーオリンピックワギャンシャドウゲイトアトランチスの謎など、
後はマニアックすぎて名前のわからないゲームもありました。
登場するレトロゲームのネタにファミコン世代の私はあるあると頷いてしまうものばかり。
レトロゲームを知らない人でも、青春イチャイチャカップルものとして楽しめると思います。
導入部があっさりして、すでにゲームを楽しんでるところ始まるのも良かった。


なによりもヒロインの委員長が素晴らしい。
ゲームにつまったりしたときに、渋沢に助言を求める彼女ですが、
渋沢はたまに嘘を教えたりします。そうして被害に合う彼女ですが、その時の反応がいいですね。
日々彼女が記録をつけているレトロゲーム手帳を出して、
渋沢の過去の行動を糾弾している姿はイチャついてるバカップルにしか見えない。


中盤では秋葉瑞穂というレトロゲームに精通したキャラも参入してきて
委員長のレトロゲーム師匠の座を争ったり。
終盤は委員長と学内成績を争う少女に、3人の隠れ家の存在がバラされてしまいそうになったりと
青春物っぽい展開も。


秘密を知る人が増えてしまいましたけど、彼等のレトロゲームライフはまだまだ始まったばかり。
次回も楽しみです。