ログ・ホライズン1 異世界のはじまり / 橙乃ままれ

「僕たちがこの景色を見る、この異世界で最初の冒険者だ」

オンラインゲームの世界に閉じ込められてしまった話です。
これだけど聞くと、ソードアートオンラインを思い浮かべる人も多いと思います。
「ゲームの世界に閉じ込められた」という点はSAOと同じですが、共通なのはそこだけです。
SAOと違ってゲーム内での死が現実の死と直結しているわけではなく、
ログ・ホライズンの世界<エルダーテイル>では死んでも、『復活』します。

逃げ場のない異世界で、生き抜いていかなくはいけない。
ログ・ホライズンはそういう物語です。

SAOではゲームの攻略がほぼ終わった状態から物語がスタートしていましたけど、
こちらは、ゲームの世界に閉じ込められたところから物語がスタートします。
ゲーム内のもともとのステータスや資産を引き継いではいますが、
今まではモニター越しで行っていた戦闘を、実際に自分の身体を動かして行わなくてはいけなくなったりしているため、
手探り状態のまま、異世界に順応していく姿が描写されていて
MMO経験者の私にはとても面白く、ハマってしまいました。

主人公シロエの職業が不人気職の付与術師（エンチャンター）なのが新鮮でした。
後方支援職であるため仲間と力と合わせて戦う。
MMORPGって本来こういうものだと実感できます。

実は読む前まで、それほど期待をしていなかったのですが、
物語が進むに連れて、ページを捲る手が止まらなくなり一気に読み終えてしまいました。

MMO経験者の方やRPGが好きな方には、特にオススメできる一冊です。
Webで公開されている小説なので、気になる方はまずはそちらで読んでみるのもいいと思います。
単行本では内容が一部改訂されていたり、挿し絵が追加されているので
少し読んで気に入った方は単行本の方を読むことをオススメします。