ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち / 三上延

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち / 三上延 / メディアワークス文庫
ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)

「わたし、古書が大好きなんです……人の手から手へ渡った本そのものに、物語があると思うんです……中に書かれている物語だけはなくて」

ビブリア古書堂に持ち込まれた古書(古本)にまつわる、秘密や謎を解き明かしていく話です。
素敵な小説でした。


人見知りで恥ずかしがり屋のヒロインの栞子が古書の事となると目の色が変わって豊富な知識と鋭い洞察力で次々と秘密を解き明かしていきます。
まるで初めから全て知っていたように解決していく姿は、万能鑑定士Qの莉子に似てます。
栞子の豊富な知識による解説が適切な長さだったのも良かったです。
今回出てきた古書は読みたくなります。


一章一冊の連作短編の形式で物語が進んでいき、
話が進むごとに主人公とヒロインの関係が徐々に縮まっていくところが恋愛小説好きの私にはたまらなかった。
お互い意識してるけど、はっきりと言葉にして好きだとは言えない関係。
そんな二人がエピローグで一気に二人の距離が縮まって嬉しかったです。


もう少しだけ、この二人の物語を読んでみたいです。
続編でないかな。