子ひつじは迷わない 回るひつじが2ひき / 玩具堂

子ひつじは迷わない 回るひつじが2ひき / 玩具堂 / 角川スニーカー文庫
子ひつじは迷わない  回るひつじが2ひき (角川スニーカー文庫)

「そもそも本物だとか、偽物だとかが幻想なのよ。
 わたしは性善説性悪説も信じない。善人というのは、それが当然、当たり前になるまで偽善を続けた人のことだし、悪人はその反対。
 ――常習性の偽りを本質と呼ぶのよ」

「迷わない子ひつじの会」という、所謂なんでも相談会に寄せられる相談を解決していく、子ひつじシリーズ2巻目です。
ジャンルは日常系ミステリなんですかね?

今回は


定番の恋愛相談
茶店で起きた事件についての相談
教師から相談


の3話構成となっていました。


相談内容も1巻と比べて難易度が上がっていました。
特に1話目の国語の問題は解けませんでした。
こういう殺人が起きないミステリはミステリで楽しいですね。


3個目の相談は自分と少し重なる部分があったので考えさせられました。
自己評価と他人からの評価は一致しないのは当然なのです。
私自身も他人からの期待がプレッシャーになり、時には押し潰されそうになってしまうときもあります。
それでも自分の能力が信じられないからと言って、自分の気持ちを殺してまで降りてしまうのは勿体ないと思って日々過ごしてます。
結局は自分の気の持ちようです。
他人がどう思おうが自分の人生なんだから好きに生きればいい。
自分を裏切っても後悔するのは自分なんですから、自分の気持ちに正直に生きればいいと私は思っています。


ココロコネクトの伊織は周りの評価を気にしすぎて自分を見失ってしまいましたけど
ミチランダムではようやく自分を見つけられたようです。
本作の佐々原はどうなんでしょう。
本人自身はこのままじゃダメと気づいて、変わろうとしてるのでこれからが楽しみです。
仙波ちゃんも相談会の影響を受けてか、どんどんいい方向に変わってるように見えます。
強烈な妹キャラがこの先も関わってくるだろうし、仙波ちゃんが感情丸出しにしてくる展開が見られるといいな。


それにしても今回はなるたまの影が薄かった。
なるたま視点が少なかったせいかな?
次巻ではもっと活躍してくれるといいな。


最後に佐々原さんへ
オムライスにマヨネーズは邪道だと思います。
そういう発想自体が無かったよ。