ソードアート・オンライン6 ファントム・バレット / 川原礫

ソードアート・オンライン6 ファントム・バレット / 川原礫 / 電撃文庫
ソードアート・オンライン (6) ファントム・バレット (電撃文庫)

「失われた命の重みは、どんな事情があろうと消えることはない。でも……その結果助かった命のことを考える権利は、関わった人間みんなにある。君にもある。君は、自分が助けた人のことを思い浮かべることで、自分も助ける権利があるんだよ」
「自分を……助ける、権利」
「でも……、でも、僕は、殺した奴のことを忘れてしまったんだ。重荷を……義務を放り捨ててしまったんです。だから、救われる権利なんか……」
「本当に忘れてしまったなら、そんなに苦しんだりしないよ」
「君は、ちゃんと憶えている。思い出すべき時がきたら、全部思い出す。だからね、その時は、一緒に思い出さなきゃだめだよ。君が守り、助けた人だっているんだってことを」

ソードアートオンライン6巻、ファントム・バレット編の完結編です。
素晴らしかった。
話の流れは王道展開なんですけど、これだけ分厚くてもスラスラ読めて、もう終わってしまうの?と感じた小説は久しぶりでした。
早く続編が読みたいです。


冒頭に引用した、看護師の安岐さんの言葉はとても心に響きました。
あのやりとりでキリトは救われたんだと思いました。


死銃を倒すために本選でシオンと共闘するとは予想してなかったです。
でも一人で相手を倒すのではなく、パトーナーと強敵を倒すというのはよく考えると王道展開なんですよね。だがそれがいい


パニック状態になってしまったシオンを助けるキリトさんは相変わらずカッコ良すぎって笑ってしまいます。
そして天然ジゴロっぷりが益々上がってるし(笑)
同じトラウマを抱えた人としては、キリトの前向きな姿勢には惚れてしまうのも無理はないですけどね。



ここから先はネタバレ含みます。






最後の死銃との決戦で、ファントムバレットの意味が判ったときは「おお」と声が出てしまいました。
そこから、銃と剣の二刀流によるダブルサーキュラーで死銃を倒した流れも良かった。
キリトさんカッコイイ。


シオンが助けた郵便局にいた女性職員とその娘とシオンの再会シーンはとても良かったです。
思わず涙が零れました。


次巻はファントムバレット編では割と空気だったアスナさんが活躍するそうなので楽しみです。