“菜々子さん”の戯曲 小悪魔と盤上の12人 / 高木敦史

“菜々子さん”の戯曲 小悪魔と盤上の12人 / 高木敦史 / 角川スニーカー文庫
“菜々子さん”の戯曲  小悪魔と盤上の12人 (角川スニーカー文庫)

「わたしね、昔から、ひとが何を考えているか考えるのが好きなのよ。で、もしこの人がわたしの思っているように動いて、わたしの狙った通りのことをしてくれたらすっごい愉快だなあって。そういうの」
その次の一言でおれは。
「わくわくするの」
戦慄した。

菜々子さんシリーズ2作目です。
前作から2年後の世界、菜々子さんが高校2年生のお話となっています。
語り部は新入生の宮本くんに変わり、前作の彼は冒頭の手紙でしか出て来ませんでした。
彼の出番が少なくてちょっと残念ですが、新主人公の宮本くんがいい味出していて、良かったです。
推理力と行動力は宮本くんの方が上ですかね。
そんな彼の性格を瞬時に見ぬいて同じ部活に入部させる菜々子さんは流石です。
高校生になって、より洗練された暗躍の仕方に脱帽です。
米澤穂信さんの小市民シリーズの小山内さんといい勝負しそうです。


宮本くんはてっきり同級生の天坂さんとカップリングになるのかと思っていたら、裏切られました。
菜々子さんの素の性格がわかると、菜々子さんに惚れてしまいますよね。
坪手くんの正式なライバルになるためには、まだまだ頑張る必要がありそうです。
恋愛要素も含め、先の展開が読めなく続刊が非常に楽しみです。