子ひつじは迷わない 走るひつじが1ぴき / 玩具堂

子ひつじは迷わない 走るひつじが1ぴき / 玩具堂 / 角川スニーカー文庫
子ひつじは迷わない  走るひつじが1ぴき (角川スニーカー文庫)

「うん…仙波に言わせれば、そもそも好ましいことじゃないんだろうさ。僕だって佐々原にとって何が幸いかなんて判りはしない。
 でも、それでも……佐々原が自分で望んで踏み出したなら、一度の失敗で怯えたり諦めたりしてほしくなかったんだよ」

第15回スニーカー大賞、大賞作品ということで手に取ってみました。
面白かったです。

学園日常ミステリ物です。
どんな相談にも全力で対応するという生徒会の「迷わない子羊の会」に寄せられた相談を
書記の成田真一郎と佐々原三月と、幽霊文芸部員の仙波明希が解決していく形で話は進んで行きます。

謎はかなり緩めのため、解は相談内容を聞いた時点で予想がつきます。
どちらかと言うと、謎よりも相談をきっかけに成田真一郎と佐々原三月と謎の解決役である仙波明希がどう変わって(成長して)行くかが物語のメインですね。


少しでも変わろうと一歩進みだした佐々原。
解決するためならなりふりかまわず仙波に押しかけ解決を要求する成田。
嫌々ながらも、追い返すために解決をしてしまう仙波。

成田と仙波の関係はこのままだと危険です。
少なくとも、成田は仙波に依存していちゃダメです。
それは好意ではないと私は思う。


この先、彼が成長できるか続巻が楽しみです。