クロス×レガリア 吸血姫の護りかた / 三田誠
「ただの人間だから、できるんだよ! 吸血鬼じゃ絶対に勝てねえっつうなら、ただの人間ならなんとかなるんだろうがあっ!」
ボディーガード(便利屋)の戌見馳郎が広かったある夜拾った少女は『鬼仙』という吸血鬼の中でも最強のひとりだった。
角川スニーカー文庫の3月の新刊『レンタルマギカ』の作者の三田誠の新シリーズ『クロス×レガリア』です。
ボーイミーツガールのお手本のような物語。
起承転結のバランスがとてもよく、後半の盛り上がりは特に惹きつけられた。
前半、中盤でのバトルでは防戦一方だった主人公が最後のバトルで魅せてくれた力は予想外。最強の吸血鬼相手に人間の底力をみせる様が痛快だった。
約束を破ってでも本当に大切なものを守ろうとする主人公の姿も、主人公らしくとても好感が持てた。
ふたりの物語はまだ始まったばかり。
この先に待ち受ける運命はきっと過酷だと思うけど、妹やお嬢様といった協力者といっしょに切り抜けていってもらいたい。
続きが楽しみ。