アクセル・ワールド 13 ―水際の号火― / 川原礫

アクセル・ワールド13 ―水際の号火― (電撃文庫)

「…………おかえり、カレン」
「………ただいま、ロータス

電撃文庫2月の新刊『アクセル・ワールド』13巻です。

アルゴン・アレイの乱入でピンチに陥ったところを、エレメンツの一人「アクア・カレント」さんが助っ人に来てくれたところからの続き。

今回はメタトロン攻略直前の溜め回といった感じでした。
とはいえ、「アクア・カレントのネガビュ復帰」「領土戦」「文化祭」と内容は結構盛り沢山。

カレンとハルユキとのただならぬ雰囲気に嫉妬する黒雪姫先輩には笑ってしまう。
特に今回は彼女だけに留まらず、いろんな人に対して嫉妬してるから面白い。

でも、まあハーレムすぎるよね、ハルユキ。
文化祭で、黒雪姫先輩とチユを除いた6人の女性を引き連れちゃうし、その結果、冒頭のカラーイラストがすごいことになってました。
その理由も、ニコから説明されてましたけど、まあなんとなくわかる気もします。

しかし日下部倫になってからアッシュさんのヒロイン化が止まらないですね。
これは移籍フラグが正式に立った?


七王会議を前に急遽開始された「ISSキット本体破壊作戦」は、赤の王とパドさんも加えた豪華メンバーで実施されることに。

その中でただ一人、二つ名が無かったタク…。

情報・分析担当のアクアさんが復帰したし、サーベラスもなんか後々仲間になるフラグが経ってるし、
遠くない未来にハルユキとの友情まで、彼に持っていかれそうな気がしてならない。

本格的にポジションがなくなってきたよ、やばいよ。
誰か彼を救ってあげて。

次回は「ISSキット本体破壊」とその前哨戦の「アクア・カレント救出」と今からものすごく楽しみ。

魔法科高校の劣等生 8 追憶編 / 佐島勤

魔法科高校の劣等生 (8) 追憶編 (電撃文庫)

「わたしはお兄様の妹でありながら、お兄様のことを何一つ解っていませんでした。いえ……理解しようとしませんでした」

電撃文庫12月の新刊、『魔法科高校の劣等生』の8巻。

深雪がどうしてブラコンになったかわかる過去編です。
超絶ブラコンの深雪が3年前までは兄のことが苦手だったとか、同級生たちは信じないだろう。
でも、ただの護衛役としか思っていなかった兄の本当の力や、見えなかった一面を改めて目の当たりにし、

「大丈夫だよ、深雪」
「俺がついてる」

こんなセリフを吐かれ、さらに自身の命まで救われたとしたら、ブラコンになってしまうのもわからなくもない。

達也がなぜ妹を最優先にして動くという動機も明らかになり、これで達也の秘密はほぼ全て明らかになった感じかな。

Web版では無かった書き下ろしエピソード『アンタッチャブル』では四葉の異常性が明らかに。
一人の娘のために一族総動員で復讐に動くとか…。
十師族の中でもその異常性は随一ですね。

あんな本家相手に、達也と深雪はいつか喧嘩売るのかな。
真夜の思惑通り、あっさり当主の座を受け継ぎそうな気もするけど、先が読めないですね。

次回のアンジー編は3月。
このエピソードでWeb版のストックがついに尽きるのかな。
だけどこのエピソードも結構長かった気がする。
2年生編まで、まだまだ先は長いですね。

エスケヱプ・スピヰド 参 / 九岡望

エスケヱプ・スピヰド 参 (電撃文庫)

『参るがいい、模造品。蜂を失ったとて、鬼虫の九番式が貴様を恐れると思うか』

電撃文庫12月の新刊『エスケヱプ・スピヰド』の3巻。

鬼虫の思考を司る必要不可欠なパーツである『星鉄』を巡る話。
早くも謎の組織、黒塚部隊の隊長と隊員が姿を現す。

量産型の甲虫式の特機を操る彼等は、鬼虫に匹敵する力を見せてつけてくれました。
蜂本体を失っている九曜はともかく、蟷螂と蜘蛛…。
ふたりとも最後の最後で爪が甘すぎる。
試合に勝って勝負に負けたとはまさにこのこと。

せっかく引き上げられた、蜻蛉と蜂が盗まれたのは痛すぎる。
特に蜻蛉はヤバイ。
向こうの組織の元で再生されたらまた竜胆と戦うことになるのかな。

蜘蛛の巴さんが言うように情報筒抜けすぎ。内通者はいそう。
行方不明の技官の父を持つ百舌鳥さんが怪しいと思うけど、こういうのって案外予想外の人が内通者だったりするんですよね。

次回は蜈蚣の再生実験。
九曜の蜂も早々に取り戻して修復して欲しい。
本体がある相手に人型だけで戦うのは無茶すぎるよやっぱり。

なれる!SE 8 案件防衛?ハンドブック / 夏海公司

なれる!SE (8) 案件防衛?ハンドブック (電撃文庫)

「私は見てみたいんです。今のハードワークを乗り越えた先に何があるのか。自分がどんな人間になれるのか」

電撃文庫12月の新刊「なれる!SE」8巻『案件防衛?ハンドブック』です。

今回のテーマは『案件防衛』。
今やってる仕事を他社から取られないように、どう動くか?というお話です。

新興ベンチャー企業に次々と仕事を奪われていくスルガシステム。
橋本課長のいる業平案件までついに魔の手が延び、桜坂の社畜魂に火が灯る。

やっぱり桜坂は新人じゃないですね。

業界トップJT&Wのセールスエンジニアからすでにマークされてるだけには飽きたらず、その人脈を駆使して今回のピンチを凌ぐとか。
相手企業の社長がヘッドハントしようとしたのは当然の流れだと思った。

まぁでも、これまで桜坂が歩んできた修羅場は伊達じゃない。
あの辛い仕事を乗り越えてきたからこそ、ここまで成長した桜坂がいるんですね。

桜坂の勝因は上司やいろんな人を巻き込んで色々動けたところ。
大抵は自分で一人で抱えて潰れちゃう。
だけど、彼はしっかりと周りに相談して、打開策を見つける。
ここまで優秀な人なかなかいない。

次郎丸もあと一歩及ばずでしたが、彼女も相当優秀。
特に彼女の貪欲さは、忘れかけていた大事なもののような気がします。

「勝負に負けてへらへらしていられる人間など私のチームに必要ない。敗北して悔しがるのは当然、泣くほど屈辱ならその思いを次回にぶつけてみたまえ。それともなんだ、君の気持ちはたった一回の挫折で折れる程脆いのか?」

自分の日々の仕事っぷりを思うに、彼女ほどに真剣に取り組んでいたかと問われると、取り組んでないと言わざるをえない。
もっと真面目に仕事しよう!と、ちょっと胸が痛くなったお話でした。

なれる!SE 7 目からウロコの?客先常駐術 / 夏海公司

なれる!SE (7) 目からうろこの?客先常駐術 (電撃文庫)

「いいですか桜坂さん、私たちはプロです。プロとは能力・作業に対し正当な対価を要求するものです。費用対効果や人間性を無視された挙げ句、言われるがまま扱き使われるなんてまっぴらです」

なれる!SE」7巻『目からウロコの?客先常駐術』です。

今回のテーマは『客先常駐』。
今回取り上げられた事例はかなり酷い例だといいたいけど、全部否定できないところがこの業界のすごいところ。

SI案件といったらほぼこれだど思っていいとくらい、顧客先常駐ばっかりです。
でも、このエピソードの事例みたいに、入室前に持ち物を回収までやってるところは多くないです。
ここまで厳しいのはごく少数。

破綻してる炎上プロジェクトに応援メンバーとして送り込まれることは、ままあります。
特に他の仕事がないときなど、他の部署のデスマプロジェクト送りされたあげく、後日その部署に異動とかね…。
部門の都合とかいろいろあると思うけど、異動までされると売られたんだなって思いますね。


話は変わりますけど、梢さんのストーカーっぷりが悪化してて面白かった。
イラストの目の色とか完全にヤンデレそのもの。
ナイフとフォークで何をするつもりだったんだろう…。

そんなヤンデレさんでも、仕事に対する意見は正論でした。
それでも発注された側としては、仕事をこさないといけないところが辛いところ。
でも、逃げれるときに逃げないと、壊れてしまうのも事実。
この話のように上手く逃げられるのは奇跡といっていい。

しかし、ここまで酷い発注元もなかなかいないと思いたいな。
これ以上赤字にしたくはないとはいえ、残業まで認めないのはちょっとブラックすぎる。
社内政治まで絡んでくると、話は余計に複雑になりますね。
上司との飲みの席で幹部社員の政治の話を聞くことがあるけど、その内容は結構引きます。
人として明らかに終わってると思う人がなんで出世してるんだろう…とか思えるエピソードもあったり。
世の中わかりません。


あとがきの入退室カードのエピソードには笑ってしまったけど、よく考えたら笑えない。
そういう笑えないことが、時として普通に起きてしまう異常なIT業界。
なんでまだこの業界で仕事してるのかわからなくなってきた。

改めてこの業界のブラックさを再確認できるエピソードでした。

ソードアート・オンライン 11 アリシゼーション・ターニング / 川原礫

ソードアート・オンライン11 アリシゼーション・ターニング (電撃文庫)

「たとえ法で禁じられていなくても、してはいけないことは存在するし、また逆に、法で禁じられていたとしても、しなきゃいけないことだってあるかもしれない」

電撃文庫12月の新刊「ソードアート・オンライン」11巻『アリシゼーション・ターニング』です。

物語は、キリトとユージオが上級修剣士になったところからの続き。
サブタイトル通りターニングポイントなお話で、物語は一気にアンダーワールド世界の核心に迫っていきました。

前回の流れから、このまま順調に整合騎士への道を進むのかと思いきや、やってくれました貴族出身の二人。外道にもほどがある。

システム制限を超えて、行動してくれたユージオくんはブラボーです。
ティーゼとロニエが無事で良かった。
キリトさんもギリギリで間に合って良かった。

今回の件で、予想よりも早く目標に近づてむしろ結果オーライでしたね。
整合騎士になるということが、どういうことかわかったし、知らないまま勝ち進んだ場合、より最悪な結果になってたような。

このまま行くと、フェアリダンス篇と同じくシステム管理者権限を持つ相手を倒さないといけないんですかね。
茅場明彦の加護が無いこの世界でこの先、どう戦っていくんだろう。
剣で倒せる相手とは思えない。

最長編だとは聞いていたけど、まだまだ終わりが見えないですね、アリシ編。
今回もまたいいところで終わってしまって、続きが気になって仕方ない。
刊行ペース的にSAOの次巻は来年四月…。待ち切れないけど、待つしか無い。

野崎まど劇場 / 野崎まど

独創短編シリーズ 野崎まど劇場 (電撃文庫)

「もっと真面目に考えて下さい」

電撃文庫11月の新刊から『野崎まど劇場』です。

電撃文庫MAGAZINEで連載してたのである程度は読んでいたのですが、改めて一気に読んでみるとこれまたシュールな短篇集だったと再実感。
メディアワークス文庫の物語とはノリが全然違いましたね。
ガガガ文庫の川岸先生の作品と似てなくもない。

ボツ作品も含めて楽しませていただきました。
中でも好きなのは
バスジャック
デザインベイベ
苛烈ラーメン戦争
妖精電撃作戦(ボツ)
第二十回落雷小説大賞 選評(ボツ)
書き下ろしのライオンガールズもそれまでは違ったタッチで面白かった。

引き出しの豊富さに改めて驚いた短篇集でした。
次も楽しみ。